あなたは「おひとり様」でも大丈夫?「孤独社会」には今から準備しておくことが大切

2018年12月3日(月)

 私はソシエッタです。よろしくお願いします。

 この間、久しぶりに馴染みのお一人様用カラオケのお店に行ったらお店が無くなっていました。どうなったかですって?

 

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普通のカラオケBOXになってましたよ!

 

 日本経済新聞の記事(2018年11月26日)によれば、一人暮らしの高齢者が大都市で増えているそうです。三大都市圏(1都2府5県)でみると、2000年以降の15年間でその数が2.1倍の289万人に達し、2015年には初めて世帯全体の1割を突破したみたいです。2040年には4割にのぼるという試算もあります。驚くべきことでしょうけど、このことの何がいけないのかご存知でしょうか?

 

ハルです。

 「つながりが弱い人」には健康への悪影響が見られますね。それも、タバコや飲酒よりも大きいとされています(週刊東洋経済2018.11.3)。健康が悪化すれば、経済力も低下するでしょうし、医療費もかかるでしょう。財政的にも厳しくなってみなさんの負担増にもつながります。

 

 ハルさん、ありがとうございます。

 こうなってしまった原因はいくつか挙げられます。まずは、急激な近代化に伴う都市化、核家族化がひと段落したことです。そこへ少子化と高齢化、死別といった事情が加わります。さらに、結婚に対する価値観の多様化、家庭を持つための一人当たりの経済力の低下、子どもが巣立ってからの夫婦の離別の増加という要因もあります。

 

 日本はよく「ムラ社会」って言われますが、実は身内どうしの助け合いはあっても他人となるとそうでもないらしいです。宗教の違いからか、西欧社会と比べてボランティア精神が弱い点が指摘されています。「スーパーボランティア」の尾畑春夫さんがメディアにあんなにも採り上げられたのもうなずけます。

 今の人たちの「つきあい下手」という可能性もありそうです。渋谷のハロウィーン騒動が今年も話題となりました。仮面をかぶって迷惑行為をいともたやすく行ってしまうことの背景にはこうした心理的な要素があるのかもしれないですね。

 ついでに言えば、社会や地域での人々の信頼関係や結びつきを指す「ソーシャルキャピタル社会関係資本)」が日本では乏しいとされています。

 

ソーシャルキャピタルランキング(英レガタム研究所2017年)】

1位 オーストラリア

2位 ニュージーランド

3位 アイスランド

4位 デンマーク

5位 ノルウェー

(101位 日本)

 

 

 「孤独社会」は世界的にも問題となっています。イギリスでは「孤独担当相」を新設して対応しています。危機感が感じられますね。日本でも、孤独社会に備えて、社会づくりを準備しておくことが重要です

 今では誰もが携帯電話を持っているので、これを利用して何かできるかもしれません。たとえば、行政とタイアップして定期的に身体面やメンタル面をセルフチェックできるサービスの提供を行ってはどうでしょうか?見守り機能はもちろんのこと、セルフチェックの結果をAI(人工知能)なんかが判断して様々なサービスを紹介するという仕組みも考えられることでしょう。

 医療・介護の紹介、趣味・嗜好、その人の性格が外向的なのか内向的なのかに合わせた集会やネット上のサービスへの案内、有償・無償のボランティア活動の勧誘などできるだけ多くのオプションがあるといいです。

 

 今ではカフェを併設している書店は珍しくなくなりましたが、流行りのタピオカミルクティーなどを持ち込めるような喫茶できる図書館を増やしてみてはいかがでしょう?施設の管理代として100~200円くらいの利用料を頂いてもいいでしょう。一人暮らしの方がいろんな知識を得て、好奇心も養って様々な活動に転じてもらうきっかけづくりになればと思います。

 小規模作業所(平成22年4月現在5,956か所(厚生労働省))を、障がいを持った方だけでなく、もっとオープンにして一緒になってものづくりをするのも貴重な体験になることでしょう。こうした面でインフラ整備・再整備はまだまだ余地があると思います。

 

【図書館数の推移(文部科学省「社会教育調査」)】

平成2年度 1,956

平成8年度 2,396

平成14年度 2,742

平成20年度 3,165

 

 一人ひとりの準備や心構えも必要となってきます。特に大事なのは、見知らぬ他人とのお付き合いや協力していくことを見据えて、コミュニケーションスキルを上達させることです。退職に合わせて地域の中で学べる機会があるといいかもしれません。話題を広げるためには現役時代から趣味づくりを意識的に行っておくことも大切です。冒頭で触れた一人カラオケのように、おひとり様サービスの拡充も期待したいですね。

 最後に、気持ちのほうも肝心です。よく啓発本なんかでみられるように孤独であることを礼賛するつもりはありませんが、せめてひとり身であっても楽しく生きていけるだけの「強い心」づくりを意識的にやってみませんか?

 

【気になるおひとりさまサービス】(KADOKAWA「おひとりさま専用Walker2019」)

ひとり卓球・・・マシンが相手

ソロおせち・・・1人前食べきりサイズ

ひとり漫画喫茶・・・シアタールーム付き個室

一人用ボードゲーム・・・お店でも、自宅でも

ひとり温泉宿泊・・・おひとり様プラン

ひとりカラオケ・・・つぶれないでね!

ひとりVRゲーム・・・一緒に行っても結局1人でプレイ

ソロシアター・・・独立シートで食事も可能