自動運転・モビリティ革命は地球温暖化と向き合うチャンス!都市ぐるみの未来設計を!

2019年3月25日(月)

 エンヴィです。

 自動運転社会が現実味を帯びてきました。環境面から考えるとうれしいことです。

 

f:id:KyoMizushima:20190226085508j:plain

 

 地球温暖化を食いとどめるには、「パリ協定」に定められているように温室効果ガスの排出量を減らしていくことが重要です。そして、全排出量のうち17%(2016年度)を占める自動車などの運輸部門において、ガソリンをはじめとする化石燃料を燃やす機会を減らしていくことが鍵になります。週刊エコノミスト2019.2.19)

 

 自動運転でスムーズな走行が実現すれば燃料の無駄な消費が減ります。ささいなことかもしれませんが、チリが積もれば何とやらです。ちょうど温水洗浄機能を持つ洋式トイレのふたを、使わないときに閉めておくと年間約770円の節電効果があるのと一緒ですね。(データ引用:一般財団法人省エネルギーセンター「家庭の省エネ大事典」東京電力エナジーパートナー 温水洗浄便座|でんきの省エネ術

 

 エコカーへの置き換えも有効です。自動車メーカーを中心に電気自動車(EV)の開発が進められており、さらに動力源としての太陽電池が検討されています。

 フランスは2040年までにガソリン車、ディーゼル車の販売を終了する方針を打ち出しました。イギリスも同様の発表をしました。加えて中国がエコカーの販売義務を強化する方針を打ち出したことは大きいです。巨大な人口を抱える中国で動きが本格化すれば、温室効果ガス排出量の大幅な削減への期待がふくらみます。

 

 トランだ。

 クルマだけじゃないぜ。「モビリティ革命」も進むぜ。MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)という概念が存在感を増してるな。こいつは、電車、バス、タクシーといった複数の移動手段を効率的に組み合わせて提供するワンストップサービスだ。先進国とされるフィンランドでは、決済もアプリで一括して行える上、毎月定額払いで乗り放題というサブスクリプション・プランも用意されているらしいぜ(Newsweek 2019.2.19)。

 地方だとそもそも移動手段が限られるなど課題はあるが、少なくとも都市部で導入される可能性はあるとみていいな。そして、こうなってくると、ライドシェアが当たり前になって、自家用車を持つこと自体が「時代遅れ」ってイメージになるかもな。

 

 仮に自家用車を持つとしても、日本の特に都市部は道や駐車スペースの狭さ、少子化や単独世帯が増加しているっていうトレンドを踏まえると、排気量の少ない小型車両の導入がもっと進んでもいいんじゃないか?

 1人用または2人用でちょっとした荷物を載せられるような規格なら最低限のニーズには応えられるはずだ。自動車のサイズと区分は道路運送車両法なんかで決まっているらしいが必要なら改正してもいいだろうぜ。

 

 エンヴィです。

 そこで提案です。ぜひ都市ぐるみの設計を進めてほしいです。それは、自動運転を念頭に置く環境配慮型であるべきです

 レンタカーやライドシェアが進めば進むほどサービスの価格も下がることが期待できます。使い勝手もよくなるでしょう。自家用車のダウンサイジングだけでなく数自体も減っていきます。

 すると、駐車場の多くも不要となり、空きスペースの有効利用を進めることができます。日本では公園や災害避難場所といったゆとりスペースが少ないです。ぜひ魅力あふれる使い方をして欲しいです。まさに、都市における「埋蔵空間」の発掘と言えます

 

 インフラも工夫が必要です。高速道路に自動運転専用レーンを設けることも一案です。流通を円滑にすることができ、渋滞ストレスも緩和できます。

 地方から都市へのアクセスについては「パーク・アンド・ライド方式」を導入し、都市内交通への集中を緩和することも考えられます。鎌倉市金沢市で実施されているみたいですね。ドイツでは中心市街地からマイカーを締め出して公共交通へのシフトを促す政策をとっているところもあるそうです。

 

 自動車の維持費だけで月3~4万円かかります。ところが稼働率にするとたったの4%です。もったいないと思いません?東京23区や大阪市では交通全体に占める自家用車の分担率は15%を切っていて、すぐにでも「モビリティ革命」ができそうです。(日高洋祐ら「MaaS」日経BP社)

 自動車を減らせば、それによって生じていた社会コストを減らすことができます。一方、公共交通機関の利用を促せば、公共交通への投資が進みます。「モビリティ革命」を機会に、より住みやすい町づくりを目指すべきです

 

 これまでの社会は大量にモノを作ることが前提でした。大量消費・廃棄も容認されていました。でも、これからは違ってきます。モノが全てではなく、新しいテクノロジーや情報ネットワークが関わってきます。こうした変化は私たちの気づかないところで、個人の行動様式も変えていくことでしょう。未来の社会は持続可能性を十分考えておく必要があります(ポール・メイソン「ポストキャピタリズム東洋経済)。

 

 トランだ。

 以前、空飛ぶ自動車の話をしたよな。利用するケースは緊急搬送などに制限されるべきと提案したが、単に空の混雑の問題だけじゃあなく、環境の面からも大事なんだぜと言っとくべきだったな。

 そこで改めて提案するぜ。自動運転社会では、エコカーの利用を前提としようぜ。そうでない車の都市部における私的所有・利用には制限を設けるべきだぜ。

 今回はこんなところでどうだい? 

 

 

【各国の代表的なMaaSオペレーター】(日高洋祐ら「MaaS」日経BP社) 

フィンランド;MaaS Global(サービス名Whim)

 フィンランドでは化石燃料に依存しない次世代交通社会を目指しており、イギリスやベルギーにもインフラを輸出している。政府において、省庁再編、交通情報を一元化するのための法整備を実施。

 

②スイス;スイス連邦鉄道

 プレミア特典として電気自動車のリース、駅の駐車場の利用を付けている。

 

③ドイツ;ダイムラー(サービス名moovel)

 MaaSのプラットフォームを世界の主要都市に拡大。

 

④米国;GoLA

 ロサンゼルス市で展開。そのほか、政府主導で11都市をモデル都市に指定。