21世紀農業の幕開け。新「日本食ブーム」を巻き起こせ!

2019年5月13日(月)

 おいら、フーディンだよ。

 

 ゴールデン・ウィークはみんな楽しく過ごせたかい?おいら、電車で旅行したんだけど田植えはまだだったなあ~。

 

 この間、テレビでオイシックスOisix)の取組みが紹介されていたんだな。今まで農業を全くやってこなかった人が、甘~いトマトを栽培して成功している様子が紹介されていたんだな~。おいらもやってみようかなって思っちゃったよ。

 これからの農業はいろんな意味で楽しみだな~。

 

f:id:KyoMizushima:20190421074812j:plain

 

 何といってもインターネットの力が大きいんだな。全国規模で農家・出荷者と市場・消費者を簡単につなげてくれる。オンラインの卸売市場「ラクーザ」ってのも立ち上がったみたいだよ(週刊ダイヤモンド2019.3.9)。

 新しい農業ビジネスがどんどん参入して、農作物の生産や流通が活発になるんだろなあ~。

 

 ただ、本格的に農業をやろうと思ったら、全部自分ひとりでやろうとするのはやめたほうがいいよ。家庭菜園している人は、有機栽培であることを売りにしてメルカリみたいにパッと稼げそうに思うかもしれないけど、量も必要になってくるんだな~。

 

 これからの農業は、今どんな食文化が求められているのか、そこから逆算して流通や生産を考える「マーケットイン型」のシステムができあがっていくんだな~。そうすると農業だけでなく食品産業や小売産業も巻き込んでいくことになる、ってなると、やっぱりある程度の経営規模は必要なんだな~。

 

 実際、大規模農家や経営体が増えているんだな。

 今は、農業経営体の約6割が5ヘクタール以上の耕地を持っている状況だけど、2020年には、100ヘクタールを超えるメガファームが全体の1割以上を占めるって予想されているんだ。100ヘクタールがどれくらいかって?東京ディズニーランド2つ分らしいよ。めちゃくちゃ広いんだな~。

 

 一方で、農家自体の戸数は減っているんだな~。2015年は138万戸だったけど、2030年には40万戸になるみたいだよ。激減なんだな~。(21世紀政策研究所「2025年 日本の農業ビジネス」講談社現代新書

 

 それに、技術力も必要なんだな。ベテランの「勘」や「経験」って意味じゃないよ。データを基に、質の高い農作物の生産性を挙げていく技術のことだよ

 今、センサーやIT技術の発達で農業のノウハウがどんどんデータ化されている。どんな土の状態でどのような管理をすればどれだけ収穫できるのか、農業の素人さんにも分かるよう「見える化」していくんだな~。

 昨年は熱中症がひどくてみんなも大変だったろうけれど、農作物だって高温障害が大敵だな。きめ細かな水管理が大事なんだな。そのためにはデータによる現状把握が欠かせない。こうしてオイシックスが取引しているような甘~いトマトが完成していくんだな~。

 

 また、TBS系連続ドラマ「下町ロケット」の撮影で有名な自動運転トラクターや農業ドローンといった、人の手を直接借りない技術が活躍している。しかも彼らは昼間だけじゃあなく夜も働いてくれるんだ。楽ちんだよね~。

 政府の新産業ビジョン(2016)によれば、農業分野で第4次産業革命を実現できれば農業のGDPを毎年2.7%ずつ増やせるんだってさ。

 こうしたことを考えると、みんなで共同して経営することを考えたほうがよさそうだよね~

 

 そうだとしても、ちゃんと収穫できるか、ちゃんと商売になるかは気になるとこだよね。農業協同組合(農協)もそうだけど、データを使って栽培技術をアドバイスしたり、収量予測ソフトやAI会計ソフトを使って取引をサポートしたりしてくれる機関があるとありがたいんだな~

 アメリカには営農支援をしてくれる公的機関があるらしいよ。民間農業コンサルタントから情報を集めて、作物に被害を与える植物病原菌に対抗しているみたい。(窪田新之助「日本発『ロボットAI農業』の凄い未来」講談社+α新書)

 

 ついでに、思ったほど収穫できなかった場合の保険の仕組みも整えて欲しいよね~。最近は気候変動が取り沙汰されることが多いんだな。だから、さっきのアドバイザー機関も含めてこうした仕組みを用意してあげると、新人さんも参加しやすいと思うよ。

 

 こんなふうに全体のシステムが整えば国際的な競争力もついてくるな~。これまで、TPP(環太平洋経済連携協定)とかで、関税を撤廃したら日本農業は崩壊するんじゃないかとか、食の安全が脅かされるんじゃないかとか、いろいろ議論があったけど、これからの農業はもっと撃って出るべきなんだな~(日本経済新聞社「90分解説 TPP入門」)。お米も、今より4割安くなれば輸入米と十分に渡り合えるらしいよ。

 

 そして、ターゲットにすべきは、経済新興国を中心に層が厚くなりつつある中間所得層だな。特にアジア諸国は人口も多くって味覚も日本人に近いものがあるんだな~。ほら、海外に行くとヨーロッパよりもアジアのほうが食事が合うって思ったことないかい?

 そして、海外に展開していくってことはそれなりに大量に生産することになるから日本の食料安全保障にもつながるんだな~。日本は人口が減っていくから日本の市場だけを考えていると作る量も少なくなっちゃう。そうしたら気候変動や国際紛争などでいざという時に心配になるんだな~。

 

 話がだいぶ大きくなっちゃったね。でも、要はみんなの力が大切なんだな~。食べることは健康にも関係してくる。野菜の栄養価だって下がってきてるみたいだよ。意識を高くもって、ちょっとお値段が張ってても質のいいもの、おいしいものを求めるんだな~。そうすれば、これまで言ったような仕組みがどんどん作られていく。遠回りだけれど、結局はコストダウンにつながるんだな~。

 

 今、観光や海外への売込みにも力が入っていて「日本食ブーム」って言われてるけれど、農業の新形態も含めて食材の段階からの「新しい」日本食ブームを巻き起こして、農業をどんどん活性化させたいね

 えっ、でも食べ過ぎになるのは要注意だって!?

 

 

【国別農産物出荷額(2013年)】 21世紀政策研究所「2025年 日本の農業ビジネス」講談社現代新書

 

1 アメリカ   1477 億USドル

2 オランダ  909

3 ドイツ   840

4 ブラジル  839

5 フランス  748