ラグビーが大事にする文化。「道なきパス」でつないでいこう!

2019年12月2日(月)

 エディカです。

 

 ラグビーワールドカップ第9回大会は大変盛り上がったわね。最後までルールはよく分からかったけれど、とっても興奮したわ。

 

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 特に、日本が決勝トーナメントを決めた際のスコットランド戦・・・2つ目の「オフロードパス(相手に倒されながらのパス)」を繰り返しての逆転トライを決めた瞬間は鳥肌が立ったわ。もうちょっとだけ大会を楽しみかったけど仕方がないわね・・・。選手のみなさん、本当にお疲れさまでした。

 

 でも、勝手なことを言わせてもらえれば、ラグビーって何となく「要領」が良くない感じがするわ。特にサッカーに後れをとったわ。実はラグビーもサッカーも、元々は一つの競技(フットボール)だったって知ってた?その時は、手を使おうが足を使おうが、要は「何でもあり」だったようだけれど、先にルールが統一されたのはサッカーでほうで1863年だったの。そして、ラグビーは・・・・実に8年も遅れて、1871年にルールが統一されたのよ。

 世界王者を決める「ワールドカップ」の開催も遅かったわ。サッカーはいち早く勝ち抜き戦方式を採用して全世界に受け入れられた。一方のラグビーは、伝統の「ホーム&アウェイ」方式にこだわりすぎて・・・・切替えが遅かったみたい。(廣瀬俊朗ラグビー知的観戦のすすめ」角川新書)

 

 日本国内ももたついてたわ。1990年ごろまではむしろサッカーより人気があったみたいよ。今じゃ想像つかないけど・・・。93年にJリーグが開幕すると、競技自体や選手の派手さも手伝ってサッカー人気に火がついたわね。週末、地域の小学校のグラウンドを使っていると言えば、ひと昔は野球だったけれど、今はサッカーのほうが多いんじゃなくて。さらに、95年の第3回ワールドカップニュージーランド相手に17対145の歴史的大敗を喫して、ラグビーファンがますます離れていったわ。

 今、観客動員数は減少傾向にあるわ。今大会における日本代表チームの活躍のおかげで多少は盛り返せるかもしれないけど・・・・・熱しやすく冷めやすい国民性だから当てにしちゃいけないわね。相当なテコ入れが必要よ。

 

【主要スポーツリーグの入場者比較】(週刊ダイヤモンド2019.8.31)

野球(プロ野球リーグ戦(2018))   2555万人

サッカー(Jリーグ(2018))     1060万人

ラグビートップリーグ(2018ー2019))  46万人

 

 

 こうした中で、国内でラグビーのプロ化の話が浮上しているわ。そして、盛り上げていくためにはホームタウンとスタジアムの確保が必要だと言われているけど完全に出遅れたわね。

 かといってラグビーの持つ「文化」まで廃れさせてはいけないと思うの。今大会ですごく感じたのは、ラグビーの持つ「寛容さ」、そして「多様性」よ

 例えば、日本代表チームを見てても一見して「外国人」と分かる人がたくさんいたわ。ラグビーはかつての大英帝国の植民地間で広まったため、国や大陸を越えて移動する選手たちを受け容れることとしたのね。例えば、その国で連続3年間住んでいれば代表の資格が得られるの・・・・・これはサッカーにはない「ゆるさ」よ。

 そして、何といってもラグビー憲章が掲げる理念が大事よ。すなわち、①品位、②情熱、③結束、④規律、⑤尊重。ラグビーは、各人がそれぞれ大事な役割を担っていて、かつ、激しい肉弾戦からなる団体競技・・・・だから、お互いをリスペクトしている・・・・自分だけよければいいということではなく、相手の苦しさ、辛さ、痛みも分かるからとっても寛容よ。だから、試合終了後は「ノーサイド」なのね。サッカーでみられるような人種差別的発言やファン同士のもみ合い、審判のジャッジに喰ってかかる光景はほとんど見られないわね。

 

 この素晴らしいラグビー精神を何とか残して欲しいわね! そのためには、今大会で感動を覚えたみんなに会場に足を運んでもらうことね。

 例えば、会場の確保については、専用競技場にこだわるのではなく、サッカーや他の競技と共用できる工夫をするべきよ。今回のワールドカップでも東京のスタジアムなどがそうだったわ。

 また、増えていく在日外国人に応援してもらう工夫も必要ね。ラグビーが盛んで強い南半球の人たちだけでなく、アジアの人たちにもどんどんプレーに参加してもらうの。そして、その様子が当たり前であって素晴らしいものだというPRをしていくことも大事よ。

 とにかく工夫を凝らすことが大切よ。そのためにはラグビー関係者が今こそスクラムを組んで、世代を超えてバトンタッチしながら「道」を作っていくことね!