今こそ求められる「スマホ教育」。大人にこそ必要!?

2020年2月3日(月)

 エディカです。

 

 昨年末、テレビで「松岡修造の『聞いてください!先生も悩んでます」を観たわ。保護者への気遣いや部活動の担当顧問、給食時の配慮など先生方の苦労が盛りだくさんだったわ。頭が下がるわ。

 中でも学校でのスマホ対応には興味が引かれたわ。学校にスマホを持ってきてもよいとすべきか、・・・・・難しいところね。

 

 

 スマホの利用率は小学5年生で21.4%、中学2年生で63.4%にものぼるわ(日本PTA全国協議会「平成30年度子どもとメディアに関する意識調査」)。持っていることが当たり前って感じね・・・・。

 だからこそスマホ問題には目が離せないわ。最も注意すべきなのが、LINEを用いた「ネットいじめ」ね仲間外しが当人に気づかれないよう巧妙に行われるらしいの。ベネッセ教育総合研究所の調査(2014年)によると、中学1年で半分以上が、高校生で9割がLINEを利用している・・・・・避けて通れない問題よ。

 近くにスマホがあるとつい意識を向けてしまうわね。そして、あまりにも気になって授業中に操作してしまうわ。こうした問題点を見ていると、学校内での使用規制は仕方ないように思うわ

 

 でも、スマホは今や情報通信メディアとして身近でコアな存在よ。うまく使いこなすのであれば、勉強にも有意義なツールになり得るの。

 最大の利点は、調べものを手軽に行えることね。辞書の有用性もよく言われているけれど、スピードが違うわ。しかも写真や動画でイメージもしやすい。学校現場では、パソコンを使ったアクティブ・ラーニング、プログラミング教育、電子黒板など通信設備を使った教育スタイルがどんどん導入されているわ。スマホを適切に使える授業があったっていいわ。(五十嵐悠紀「スマホに振り回される子 スマホを使いこなす子」ジアース教育新社)

 

 もちろん、スマホのために学力が低下するのであれば要注意ね。中学生108万人を対象とした平成25年度の文部科学省調査によると、携帯・スマホ使用時間が長い人たちほど、国語や数学の平均点が低くなる傾向が見られたわ。

 

 だから、いくら学校でスマホ使用を禁止していても、学校の外でばんばん使われたら一緒よ。むしろ、学校の管理下で適切に活用させることによって、校外での使用が少なくなる方向にもっていけないかしら。思い切ってスマホの校内使用を自由とするの。その代わりに、次の3つの制約を課すの。

 

①まず、スマホ教育を徹底する

 スマホのメリット・デメリットをきちんと教えるの。特に、スマホを使った迷惑行為については徹底することね。「ネットいじめ」はもちろんのこと、公共の場でのマナー、著作権・肖像権に関するルールも含まれるわ。また、ネットを使った詐欺、出会い系サイトによる被害、スマホ操作が脳に与える影響といったリスクを知ってもらうことも大事よ。

 

②そして、違反行為を行った場合は、強制的に一定期間、使用禁止とする

 何を「違反行為」とするかは学校側で定めていいわ。でも、できれば全国一律のルールが欲しいところね。そして、学校だけでの取組は難しいから、携帯電話会社に協力してもらう必要があるわ。文部科学省総務省、警察の協力も必要ね。

 

③最後に、コミュニケーションの大切さを教える

 メールなどの文字情報では微妙なニュアンスが伝わらない・・・・そのため、誤解を生んでトラブルを招くおそれがあるの。そもそも、顔を合わせないコミュニケーションが増えていくことは、「妥協」を許さない社会を生んでしまうわ(ジャレド・ダイアモンド「危機と人類」日本経済新聞出版社)。

 実際に誰かの顔を見て話をすると脳の前頭前野と言われる部分が大いに働くけれど、電話やテレビ会議システムでは働かなくなることが実証されているの(川島隆太スマホが学力を破壊する」集英社新書)。文字情報ならなおさらね。だから、自分と話し相手の双方を大切にしながら自己表現を行うスキルを身に付けてもらうの。アサーション・トレーニング」と呼ばれているわ。

 

 以上のことは学校の児童・生徒だけに当てはまる問題ではないわ。むしろ、大人が手本を示すべきね。満員電車の中でも無理やり自分のスペースを作ってスマホを使用したり(そうまでしてやっていることってゲームや動画視聴だったりするわ!)、人込みで歩きスマホをしたり・・・・・スマホの適切な使い方を教わっていない大人たちへの教育こそ必要ね。

 

 スマホのようにパーソナライズ化された超便利なツールはいつまでも野放しにするのではなく、ある段階を超えた時点で規制をかけるべきよ。ちょうど自動車のようにね。といっても学校の先生方にばかり負担をかけてもいけないから・・・・・今一度、社会全体で適切な使い方について議論をすべきじゃなくて?