飲食チェーンの「冬」。突破口はヘルシー志向への取組か!?

2020年4月13日(月)

 フーディンだよ。

 

 新型コロナウイルスは4月7日に政府の緊急事態宣言が出されてギアチェンジされたな。そして、東京都では感染拡大防止のため、飲食店の営業時間短縮を求めてるんだな~。飲食チェーンはただでさえ「秋」モードだったのに、これで完全に「冬」の時代に入るな~。

 

 昨年は、サンドイッチの「サブウェイ」、「バーガーキング」、ミスタードーナツ」、「スガキヤ」の大量閉店が話題になったな~。そして、「いきなり!ステーキ」も全店舗の1割とはいえ44店舗を閉鎖するらしいし、今年に入ってはラーメン店の「幸楽苑」が51店舗を閉鎖するんだって。さびしい話なんだな~。

 

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 最新のデータじゃないけれど、外食産業が苦戦している様子は数字にも出てるんだな~。外食産業総合調査研究センターのデータ(平成28年)によると、「外食産業」の市場規模は2007年に24.6兆円、弁当や惣菜などの「料理品小売業」は6.2兆円だった。ところが、2016年はそれぞれ25.4兆円、7.5兆円。「外食産業」のほうはそんなに伸びていないんだな~。訪日外国人のインバウンド効果で最新のデータは変わってくるだろうけどね。

 

 こうしたデータの動きからは、最近の「食」の形態の変化を感じるんだな~。女性の社会参画が進んで、昼食の利用や外食機会が増加したはずだけど、一方で、若い労働者の多くが忙しくて安いものを求めて、ファーストフードやコンビニ利用が増えてるんだな~。一人暮らしも増え個食化も進んで、いわゆるお持ち帰りの「中食市場」の成長が見込まれているんだな~。そして、最近では新型コロナウイルスの問題もあって、ウーバーイーツなどのデリバリーがとっても元気なんだな~。

 

 日本の外食業界元年は1970年。大阪万博で「ケンタッキー・フライドチキン」が実験出店したのがファストフードにとっての日本初上陸になったんだな~。ファミリーレストランも「すかいらーく」が東京に開業してセントラルキッチンによる一括調理を行った。そして、現在、外食業チェーン数は571チェーン、売上高は約4兆円(2016年度)になるんだよ~。

 

 飲食チェーンの強みはスケールメリットだな~。全体で効率化して低価格で提供できるし、知名度が上がれば、よく知った味だから安心してお店に入れるよね。ここでは、飲食チェーングループのユニークな取組を紹介しておくよ。

 

ゼンショーすき家なか卯、ココス、ビッグボーイ、はま寿司など)

原材料の調達から製造・加工・物流・店舗での販売までを一貫して企画・設計し、運営するという「マス・マーチャンダイジング・システム(MMD)」。

 

サイゼリヤ

「カミッサリー」という食品加工流通拠点を設けて、食材の加工や下処理を可能な限り済ませることで、店舗作業の軽減と業務の標準化による品質維持を図る。

 

●クリエイド・レストランツ・HD(しゃぶ菜磯丸水産など)

立地に合わせてフードコートやレストランなど多様な業態を開発し出店していく「マルチブランド・マルチロケーション戦略」。

(中村恵二ら「最新 外食産業の動向とカラクリがよ~くわかる本[第3版]秀和システム

 

 一方で、飲食チェーンに対する風当たりは強いよね~。商店街からは売上げが落ちるって嫌われているし、口コミサイトのおかげでみんないっぱしの「グルメ評論家」みたいになっちゃってるから、大衆受けする飲食チェーン店の評価は軒並み低くなるんだな~。

(稲田俊輔「人気飲食チェーンの本当のスゴさがわかる本」扶桑社新書

 

 こんな厳しい状況ではあるけれど、突破口はあると思うよ。最近では低炭水化物食(ロカボ食)などのヘルシー志向や高齢者の味覚を満足させるような品質が問われるようになっている。ここは飲食チェーンの強みであるスケールメリットを活かしつつ、ヘルシー志向で攻めてみたらどう?

 

 例えば、味付けはだいたい濃いことが多いから、同じメニューでも、「濃い」バージョンと「薄い」バージョンを選択肢として用意するとか。メニューにも「おふくろの味」的な「ほっこり」系をたんまり盛り込んでもいいかもね~。

 量についても、中高年ではちょっと多いかなっていうこともあるよね。「~30代」、「40~50代」、「60代~」と年代によって量を選べる仕組みにしたらいいんじゃない?

 デリバリーにだって積極的に進出していいかもね。いっそのこと飲食チェーンが共同して、複数のチェーン店による混合メニューを提示したらどう?あっちのお店のパスタとこっちのお店の餃子を同時に食べる・・・想像しただけでワクワクしちゃうんだな~。

 

 メニューのバリエーションを増やすとコストは増えるだろうけれど、より多様な年齢層のお客を取り込むことができるかもしれないよ。「ふだん使い」にまでもっていけるといいよね~。

 ピンチに見える時こそチャンスが潜んでいるんだな~。「飲食チェーン2.0」を目指して、さらにみんなから支持されるようなイノベイティブな取組を進めて欲しいんだな