新型コロナ VS 「5G」!勝負の行方は・・・・

 

2020年7月27日(月)

 トランだ。

 

 新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、「新しい生活様式」が示された。ざっくり言えば、ウイルスの感染経路である「人」との距離をとることに尽きる。だが、これは不便さを伴う。 

 

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WORLD SOCCER DIGEST 2020.6.18

 

 「Go To キャンペーン」は始まったが、それでも旅行は躊躇してしまう。「東京」からの来客は鼻つまみ者だ。通勤や通学には電車やバスを使いたいが、混んでいると妙に落ち着かない。音楽ライブやスポーツのように大勢が集まって楽しむスタイルも「劇場クラスター」が気になる。外食はできる限り避ける。買い物決済は現金手渡しはやめておこう。職場も学校もテレワークやオンラインに慣れなくちゃあならない。

 しかし、一度身についた習慣は簡単には変えられない。気が重いぜ。

 

 そんな中、この春、日本で5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスが始まった。5Gは「高速・大容量」、「超低遅延」、「多数端末接続」という3つの特徴を持つ。これまたざっくり言えば、大量の電波を使うことによって、「人」と離れていても様々なことができるようになるって話だ。まさに「新しい生活様式」にぴったりじゃないか。もう、新型コロナウイルス感染症を恐れる必要はないぜ!

 

 実際、デジタルトランスフォーメーション(DX)は勢いを増しつつある。デジタルフォーメーションとは、スウェーデンウメオ大学のスルトターマン教授が2004年に提唱した、「デジタル技術が全ての人々の生活を、あらゆる面でより良い方向に変化させる」という考え方だ。

 コロナ経営氷河期を迎えた企業が多い中、DX企業は増益となっている。日本ではゲームソフト「あつまれどうぶつの森」がヒットした任天堂が代表選手だ。(日本経済新聞2020.6.11)

 俄然、5Gへの期待は大きくなる。ただし、本格運用は2021年だ。その頃には新型コロナウイルス感染症の拡大は下火になっているかもしれない。東京オリンピックパラリンピックはやっていれば真っ只中だ。5Gのもたらす「ニュー・ノーマル」が新型コロナウイルス感染の再拡大をどう防ぐか、この真っ向勝負から目が離せない。ここで影響を一つずつ検証してみるぜ。 

 

【買い物・決済】

 キャッシュレスが浸透しつつある。現金の手渡しはレアになる。加えて、「Amazon Go」のような無人店舗が一般的になる。無人販売カーも登場する。食事も、自転車に乗ったお兄ちゃんじゃなくドローンや無人バイクが運んでくれる。都市部から離れて住んでいても不便は無い。新型コロナウイルスの出番は少なくなるだろう。

 

【仕事・教育】

 建築現場などで使う重機は遠隔操作で行う。人が現地で操作する必要は無い。さらに、遠隔ロボットが登場すれば安心かつ安全だ。CACC(協調型車間距離維持制御)を使えば1人で複数のトラックを走らせることが可能だ。

 4Gまでのネットワークは「人口カバー率」を重視していた。5Gは「人」を気にしない。地方も含めて全国にネットワークを整備する。人手不足が深刻な農業、漁業、林業での活用が期待される。センサーやカメラで農地や漁場を管理。自動運転化されたトラクターやドローンで作業もスピーディだ。

 勉強についてはタブレットを使ったICT学習を自宅で行えるようになる。教師も楽ちんだ。新型コロナウイルスが入るすき間はないだろう。

 

【娯楽・スポーツ・移動】

 離れた場所にいる友達と一緒に、スポーツ中継や音楽ライブを同じVR空間で楽しむことだってできるようになる。360度のリアルな空間は臨場感を約束してくれる。加えて、自分の好きな角度から楽しめる「体感型」ライブ配信が一般的になる。

 こうなると、わざわざ移動する必要はなくなるんじゃないか。たとえ移動するにしても、公共交通機関もタクシーも無人だ。

 遠隔医療も進化する。8K映像を使って、遠くの医師が診断、処置や緊急手術まで行ってくれる。手術台をトラックで運ぶ「スマート治療室」でへき地でも治療が行える。新型コロナウイルスを気にする人はいなくなるだろう。

(石川温「これからの5Gビジネス」MdN)

 

 これらが本当に実現するのかって?確かに2021年に全部間に合わせるってわけにはいかないだろう。しかし、次の6Gや7Gの時代はどうだろう。通信業界では2030年に向けて6Gの検討が始まろうとしている。期待してていいんじゃないか。

 いずれにしても、5Gや6Gがもたらす世界は「人」の存在の否定だ。これこそ究極の新型コロナウイルス感染症対策だ。多少のリスクをとってでもこれまで維持してきた「人」らしさを保とうとするのか、それとも、ゼロリスクを目指してDXの流れに身を任せるのか。おっと、考えるのは政治家や感染症専門家やDX企業じゃないぜ。あんたなんだぜ!