2022年9月5日(月)
エディカです。
ウクライナは膠着状態のようね。もしも、ロシアの勝利を阻止できなかったら、アメリカの威信は地に堕ちるわね。だって、軍事支援だけでなく、2014年から経済制裁を行ってロシアの封じ込めを狙っているもの・・・。一方で関心するのはロシアの経済力ね。経済規模は韓国と同じくらいだけれど、ここまで持ちこたえているわ。「スターバックス」そっくりの「スターズコーヒー」のしたたかさには笑っちゃったけど・・・。
秘訣は人材よ。2019年のOECD調査では、高等教育の学位取得者の中でエンジニアが占める割合はロシアで23.4%と、アメリカの7.2%の3倍以上なの。不安定な情勢の中でも生産活動の再編を進めていける頭脳集団の存在は大きいわ。日本で同じパフォーマンスをとれるかしら?こうした点を見るにつけても、「数学力」を持った人材の育成は大事ね。(エマニュエル・トッド「第三次世界大戦はもう始まっている」文春新書)
実は、日本でも国難時には「理(ことわり)」を重視する集団がまとまって出現したの。以下の4つのタイプがあるわ。
①が常識を超越するビジョンを示し、②がそれを保護し、③が人材確保を政府に代わって行い、④が①のために汗をかいて世間の共感を得たの。ユニークなのは、国難時に彼らが雨後のタケノコのようにどこからともなく出現し、自発的に連携して、いつの間にか大きな存在になっている点ね。(長沼伸一郎「世界史の構造的理解」PHP)
現在の国際社会はグローバル化に向かって突き進んでいるわ。マーケットもメディアも「右ならえ」ね。人々はいつの間にか目に見えない「統一感」に支配されている・・・危うい話よ。6月にアメリカの連邦最高裁が中絶禁止を容認する判決を出したけど、他の地域でも同じ動きが起きないか心配だわ。このように世界が180度変わる点が文系社会の持つ危うさなの。
でも、科学をベースにすれば、議論は一定方向に積み重ねられていく。揺らいじゃいけない長期的な観点を求めようとする場合は、やっぱり「数学力」を持った人材を重宝すべきね。
「数学」は物事を抽象化するわ。そこから言語を共通化し、論理の展開を可能とする。このプロセスは、私たちの思考力を鍛えてくれるし、コミュニケーションの効率化につながる。やがて科学が生まれ、その一部が技術として利用され、人類の生活に大変革を起こすの。(橋本幸士「物理学者のすごい思考法」インターナショナル新書)
国力増強にもつながるわ。ナポレオンは全国の国立大学に「理学部」をつくったの。国力を上げるため、数学や科学を大事にしたのね。(藤原洋「数学力で国力が決まる」日本評論社)
そして、現代社会は「数学」で構成されているわ。建築には建物に入る人・物の重さに加えて、風雪や地震に耐えられるよう「構造計算」が活躍、二乗するとマイナスになる「虚数」は量子コンピュータに欠かせない、素因数分解はネット社会の暗号づくりに一役買っている、スマホ電力の残量計算には微分・積分が応用されている、小惑星探査機「はやぶさ」の軌道計算には小数点以下15桁の円周率が使われている・・・という感じにね。(永野裕之「世界でいちばん素敵な数学の教室」三才ブックス)
これからも「数学」を教育の中でしっかり位置づけることが必要よ。数理、データサイエンス、AIに関する知識や技能でもって新しい社会のしくみや製品・サービスをデザインする能力を養っていくの。
今、文系理系を問わず、データサイエンスを全学必修科目にしている大学が増えつつあるわ。高校では「情報科」が必修になった。中学で勉強する数学の内容は増え、算数に近い領域である「プログラミング」は小学生から必須になった。幼児期の算数教室では、パズルや積み木、工作、おままごとセットに触れさせることで、理解の定着を促しているの。いわゆる「体感算数」ね。(宮本さおり「データサイエンスが求める新しい数学力」日本実業出版社)
社会に出てからも「数学」は大事よ。仕事ができる人ほど、数字の大切さを知っているし、優秀な経営者は数字を詰めるわ。数字の背景にある意味を見てるの。でも、今の世の中はSNSで言葉が氾濫するなど、あまりにも数字が足りていないわ。数字やグラフ・統計を使うことでコミュニケーションにかかる無駄なコストを激減できるはずよ。(安藤広大「数値化の鬼」ダイヤモンド社)
日常生活の様々な場面で「数学」を意識して大切にすることが大事よ。こうした雰囲気が醸成されれば、いつの日か「理」の集団がわらわらっと現れて、国難を突破してくれることでしょうね。