飲酒文化にイエローカード!アルコールって要らない?

2023年5月22日(月)

 フーディンだよ。

 

 G7広島サミット2023は、ウクライナのゼレンスキー大統領も登場して盛り上がったね。ところで、サミットといえば気になるのが乾杯酒。今回は、広島錦や南部美人が登場したみたい。でも、かたや飲酒文化が大ピンチなんだな~。

 成人1人当たりのアルコール消費量は、平成4年度は100リットル超だったところ、令和元年度は8割に減っちゃった。ヨーロッパでは若者のアルコール離れが進み、ノンアルコール市場の成長が著しい。アルコール消費量に上限を設ける動きもあって、世界保健機関WHO)が背中を押しているよ。 

 

 飲酒ってどれくらい昔からあると思う?

 判明しているのは9000年前の中国。遺跡から、ブドウ、サンザシのワイン、ミード(蜂蜜酒)、米のビールを混ぜた複雑な発酵飲料の痕跡が見つかっている。紹興酒よりも断然古いんだな~。

 古代エジプトでユニークなのはビールだね。庶民はストローで飲んでたみたい。濾過されていないビールはタンパク質やビタミンB群などの栄養がたっぷり。ピラミッドづくりでは、労働者に毎日ビールとパンが支給されたんだな~。

 中南米ではトウモロコシを原料にしてたよ。当時のトウモロコシははるかに小さくて食用には適さない。つまり、最初っから「飲む」ための栽培なんだ。カカオもそうだね。果肉を使ってチョコレートのリキュールが作られたんだな~。

 

 このように、ほぼ全ての文化にアルコール飲料が存在するんだ。そして、重要な宗教儀式にはアルコール飲料が使用される。キリスト教ではブドウ酒が、日本ではお神酒がふるまわれるよね。(パトリック・E・マクガヴァン「酒の起源」白揚社

 日本酒のすごさは酒米の種類。125種類にも及ぶんだ。しかも、アミノ酸の含有量が高いから、いろんな料理に合わせられるんだな~。(門司健次郎「日本酒外交」集英社新書

 健康への影響は気になるけど、人間の肝臓にはアルコール分解能があって、酵素の1割は、アルコールからエネルギーを作り出しているんだ。さらに、アルコールの脳への作用は、革新性や芸術、宗教といった人間固有の特徴をもたらし、人類の発展を促してきた。これほど貢献してきた飲酒文化が無くなるって寂しくない?

 

 もちろん、飲み過ぎはだめだよ。人類は石器時代から、食べ物などを適量摂取する習慣を受け継いできたから、飲み過ぎには苦しむことになる。肝臓がんや循環器疾患、アルコール依存症、そして迷惑行為。被害を受けた人にとっては憎き存在だろうね。

 政治との関係も様々だよ。アメリカのニクソン大統領は酒が入ると無謀な攻撃命令を出していた。イギリスのチャーチル首相は朝から晩までちびちび飲んで第二次世界大戦のストレスに耐えた。広島サミットではどんな仕事をするんだろうね。(栗下直也「政治家の酒癖」平凡社新書

 

 最後に強調したいのは、お酒は人と人との関わりの中で生まれた文化ってこと。厳しい声もあるだろうけど、飲酒文化だけは守りたいね。お酒の未来に乾杯!