2024年10月28日(月)
フィナよ~。
やっぱり、衆議院議員選挙は裏金問題が足を引っ張ったわね。石破総理にとっては悪夢ね。一方で、「金利のある世界」という現実が徐々に現れつつある。「金利」は自然に発生するもの。それを無理に抑え込もうとすると激しい副作用に見舞われる。この現実をどう受け止めるかが、次の選挙に向けた試金石となるわ。
2024年3月19日に日本銀行がマイナス金利政策の解除を決定してから半年経ったわ。ようやく「金利のある世界」に再参加できるってわけね。でも、歴史を振り返ると、景気がちょっとでも悪くなると、政府は金利を下げちゃうから、デフレに逆戻りしかねないわ。
「金利のある世界」の心構えとして、好材料をいくつか紹介しておくわね。利率は、2026年10~12月頃に短期金利が2.75%、長期金利が3.5%になる見込み。そして、この場合、企業の経常利益は2023~27年度の累積で+26.3%と拡大していくの。
家計については、住宅ローンを心配する人もいるでしょうけど、毎月の返済額がすぐに増えるような展開にはならない。かたや、預貯金が増え、株式・投資信託もプラスに働く。無理のない範囲で消費が増え、自然体で資金が余りそうよ。(服部直樹ら「金利のある世界」一般社団法人金融財政事情研究会)
総じて「金利のある世界」は歓迎できそうね。逆に、低金利政策は悪手よ。世の中を不安定化させるわ。金利が低いと投機筋が動くの。18世紀のミシシッピ会社がそうね。財政破綻しそうだったフランス王室が債務利子率を下げようと紙幣を刷りまくったおかげで、バブルが生じ、見事にはじけたの。
金融政策も悪い方へ引きずられるわ。1924年から28年までアメリカの銀行は物価安定を最優先にして、新しい融資をあまり行わず、不動産ローンや外国証券の購入を進めた。そして、29年に世界恐慌が起きたの。2008年の世界金融危機も、中央銀行の緩和政策が住宅価格を歪めたことに端を発しているわ。
低金利は経済の「ゾンビ化」も起こすわ。日本ではバブル崩壊後、日銀がゼロ金利を目指したの。これは銀行が不良債権を隠すのを助け、政府の改革モチベーションを下げ、日本経済の長期停滞を招いたの。ゼロ金利政策自体がデフレマインドを生み出すという問題もあるわ。(エドワード・チャンセラー「金利」日本経済新聞出版)
金利を無理に抑え込もうとすると、短期的な効果はあっても、ゆくゆくは大変な事態になるの。ちなみに、「金利のある世界」で唯一気がかりなのは国家財政。どうやら、金利上昇に伴う利払の増加は、経済成長による税収増を上回りそうよ。
金利が低いうちに、財政健全化をどしどし進めるべきね。そうしないと、いずれ増税しなくちゃいけなくなるわ。誰もその時の政権を担いたくないわよね~。だからこそ、「金利のある世界」の政策運営、しっかりやってね。