トランプが還るまでに知っておきたいFRB。世界経済の動きが見える!

2024年4月22日(月)

 フィナよ~。

 

 今年の11月は米大統領選ね。不倫口止め事件裁判でお騒がせ中のトランプ氏が返り咲く可能性が高いわアメリカ・ファーストのビジネスライクな政策が再登場するのね。

 FRB米連邦準備制度理事会の動きにも注目よ。今はインフレ対策で金利を小刻みに上げているけれど、選挙までの間は現政権を助けるために金利を下げ、トランプ氏が再登板すれば、そのまま金利を上げられないでしょう。そうなると、日本も金利を上げることをためらうかもしれない。デフレ状態に逆戻りかしら。世界経済の「読み」を深めるため、FRBについておさらいよ。

出典:wikimedia.org

 FRB連邦準備制度理事会)は、1913年の連邦準備法成立によって連邦準備制度(FRS)の下に置かれた組織なの。このFRSの枠組みには全米12地区の連邦準備銀行も入るわ。ちなみに、最大規模のニューヨーク連邦準備銀行ともなると、米国の為替市場介入の実務を担うほどの力を持つわ。

 FRBの理事、議長、副議長は大統領が指名するの。だから、トランプ氏が大統領になったら、彼の言うことを聞かなければ即クビね。FRBの特徴的な業務としては、①フォーワードガイダンス、②FFレートの誘導、③国際協調の主導、が挙げられるわ。

①フォーワードガイダンスとは、金利の見通しなど将来にわたる金融政策の方針を市場に示して市場を安定化させる手段よ。みんなの期待値を上げるのね。「非伝統的金融政策」と言われている、

②FFレートの誘導は、言わば公開市場操作。国内の金融市場における各種の金利水準決定に大きな影響を与える、

③国際協調の主導は、国際業務を営む銀行の自己資本比率などの基準を守らせるよう、各国の中央銀行とも連携しながら関与するなど、

感覚的には日本銀行みたいなものね。(工藤浩義「FRBの仕組みと経済への影響がわかる本」日本実業出版社

 

 FRBのことを知れば知るほど、米国の世界への影響は計り知れないって感じるわ。ただ、その肝心の米国は債務総額が33兆5000億ドルにもなっていて、財政が問題体質なの。2024年中には40兆ドルを超えるわ。利払いだけで1兆6871億ドル。日本の国家予算と同じレベルよ。トランプ氏が復活すれば、民間企業を救おうと政府の赤字をさらに増やす可能性だってある。そうなると、世界のドル基軸体制すら危うくなるわ。(宮崎正弘「2025年トランプ劇場2.0」ビジネス社)

 日本にできることはあるわ。自慢じゃないけれど、バブル後の不良債権処理、異次元の緩和など、成否はともかく近年の金融政策は他国にとって大いに参考となるわ。この経験知をFRBと共有し、活用してもらうことね。それによって日本経済についても安定させる「逆輸入」戦略を今の段階から政府は考えておいてね。