やりましょう、「小麦の支配」からの脱出!

2024年4月1日(月)

 フーディンだよ。

 

 紅麴が大変なことになってるね。健康食品だけじゃなくお菓子や味噌、お酒といろんなものに含まれていたんだ。知らなかったよ。

 身近にあると言えば思いつくのは「小麦」かな。パン、ラーメン、パスタ、ケーキ、ドーナツ・・・。これだけ囲まれてると「小麦の奴隷」になった気がするんだな~。

 問題は、日本で食べられている小麦の自給率がわずか13%ってこと。圧倒的に輸入モノなんだな~。これって危なくない?新型コロナではパンケーキミックスが店頭から消えたことがあったよ。そろそろ本気で「小麦依存」をやめない?

 

 

 小麦は戦略的物資なんだな~。世界で確認されている39万種の植物のうち5000~7000種類を人類は食してきた。このうち、たった3種類の作物に世界人口の半分が頼っている。中でも小麦は最強で、40億人近い人々の主食になっている。生産はと言うと、世界120か国で栽培されているけれど、中国、インド、ロシアで全生産量の42%を占めているんだ。アメリカを足すと約半分になるよ。

 そして、生産量の25%が国際市場に流れている。これはトウモロコシ、大豆といった他のメジャーな食料よりも多いんだ。その上、輸出に回せるほど余裕のある国は少なく、8か国で輸入の8割を占めていて、ロシアとウクライナだけで3分の1を占める。だから、両国が戦争をするってことは全人類にとって危機なんだ。

 ロシア革命の指導者レーニンは「小麦は貨幣の中の貨幣」と言っている。ロシアには窒素化合物に不可欠な天然ガス資源があるほか、地球温暖化によって生産量を増やせるという期待があるんだな~。(セバスティアン・アビス「小麦の地政学原書房

 

 現実は国というより企業が実権を握っていて、需要・供給に大きな影響を与えているんだ。特に穀物市場は大企業による寡占状態なんだな~。加えて、小麦の難しさは、生産量が収穫ぎりぎりにならないと分からないこと。この不安定さが投機を呼び込んでマネーゲームになる。ちょっとしたきっかけで大きく値動きして供給が滞るんだな~。戦争や天災、誰かの発言でもいいんだ。ロシア・ウクライナ戦争はまさにこれを地で行ったね。(平賀緑「食べ物から学ぶ現代社会」岩波ジュニア新書)

 

 対抗策は2つ。①国内の生産量を増やすか、②国内の消費量を減らすこと。①については、みんなが許してくれるのであれば、日本の高温多湿な気候に合うよう遺伝子組み換えを行うことだね。②については、コメを再評価して米粉で代用すること。ふっくらする品種が開発されればゲームチェンジャーになるんじゃない。

 古代ローマでは小麦は重要な意味を持っていた。ローマ人は麦穂の女神ケーレスを崇め、為政者は「パンとサーカス」で住民を支配した。果たしておいらたちはいつまで「小麦の支配」に甘んじてられるかな。