「学校いじめ」を無くすための、根っこからのチェンジ!

2024年3月25日(月)

 エディカです。

 

 本年度もいよいよ今週までね。来年度の学校はどんな顔を見せるのかしら。

 2013年6月21日に「いじめ防止対策推進法」が成立して10年経ったわ。この間、「学校いじめ」が減ったかというと逆なの。2022年度の「いじめ重大事態」は923件と5年前の倍に増えている。認知度アップのおかげかもしれないけど・・・喜べないわ。

 法律の建付けも問題ね。新しく加わった「重大事態」という章によって全体が「事件対処型」の発想に陥っている・・・これでは問題の表層しか見えないわ。(今津孝次郎「『学校いじめ』のメカニズムと危機管理」黎明書房

 

 問題の根本に目を向けるべきね。それは、資本主義が求める「競争主義」が学校を包み込んで、そこにいる子どもたちの人間性を損なわせていること。その結果、子どもたちのストレスのはけ口が「学校いじめ」に向かっていることよ。

 こんなことを言うと、「競争を否定するのか」「外国に追い越される」「ゆとり教育で学力が低下した」と山ほど批難を浴びそう・・・。でも、日本人は基礎学力はあっても、一人当たりの名目GDPは32位(2022年。IMF)と結果を出せていない。子どもたちの精神的健康(2020年)に至っては38か国中37位と散々よ。(2020年。ユニセフレポートカード16)

 それに、いじめの本質は影響力の悪用・乱用・・・子どもだけでなく大人たちが抱えるパワハラ、虐待、DV等の防止にもつながっているの

 

 解決策は、教育方針を根っこから変えることね。日本の学校教育は「個」よりも「全体」の底上げを重視した。おかげで義務教育のレベルでは教育の質を保てたわ。でもこれからの社会は「個」を大事にしながら「多様性」を活かすことになるの。そうであれば、「一人ひとりが違う」という認識で理解し合うこと・・・そのための「対話による学び」が必要よ。

 もちろん、簡単じゃないわ。子どもたちはSNSに慣れ切っているし、対話の中で自分の意見が否定され傷つく覚悟も必要。学校側の十分なフォローが必要よ。(川上敬二郎「なぜかいじめに巻き込まれる子どもたち」ポプラ新書)

 さらに欲しいのは、「最低限これだけあればなんとかなる」という引き算的発想に基づく教育姿勢よ。これからの時代に唯一解は無い。福澤諭吉は「道理を極めて対処する能力を発育することなら(学校で)できる。」と言ったわ。学校では詰め込み教育は止めて、「考える力」を養わせるの。(おおたとしまさ「学校に染まるな!」ちくまプリマ―新書)

 最後に、教育行政にも、学校の先生にも「ゆとり」を持たせること。こうした雰囲気づくりが児童・生徒に伝わって「いじめ」も減るわ。でも、全部学校任せじゃなく、大人たち誰もが日常生活の中で意識的に取り組んでいくべきことよ。