藤井聡太の強さに見る生成AIの潜在力

2023年11月20日(月)

 エディカです。

 

 将棋の藤井聡太8冠が竜王戦3連覇を果たしたわ。彼が強いことは知ってても、どのくらいか強いか知ってる?2016年に史上最年少で4段に昇進しプロになってからの通算勝率は実に8割3分3厘。プロ相手に6回戦って5回勝ってる計算よ。この脅威的な勝率の背景には、本人の才能・努力はもちろん、AIの存在があるわ。これからの教育でAIが存在感を増すことは間違いないわ

 

 

 藤井8冠の将棋は、純粋に「良い手を指そう」とした結果の真っすぐで素直な手よ。あっと驚く奇手がないの。本人の性格もあるでしょうけど、そこはAIによる研究成果が活かされているの。

 将棋はいかに悪手を指さないかで差がつくゲーム。それは特に、複雑さが増す終盤において顕著になるわ。だから、終盤まで研究が深められるAIの力は大きい。そして、AIはバランスを重視する。だから、藤井8冠だけでなく、AIを重視する若手棋士の勝率は高い傾向にあるわ。(森内俊之「超進化論藤井聡太飛鳥新社

 

 さらに進化した「生成AI」への期待が高くなるのは必然ね。言葉で指示を与えるだけで、それに合った画像やテキスト、音楽やプログラムを生み出してくれる。どんな質問にも瞬時に答えてくれる対話型の「ChatGPT」は世界に衝撃を与えたわ。

 今、私たちはどんどん素早い反応を求められるようになっている・・・となると、仕事の内容や作業に合わせて最適化された生成AIをベースとする時代がやって来るのも時間の問題ね。

 大事なのは、その時の私たちの心構えよ。生成AIは人間の作業を助ける「副操縦士」だとしても、同時に、AIを使いこなす私たちの力が問われるわ。どんなに優秀なAIが登場しても、欲しい情報を文章化・イメージ化できなければ・・・通じないわね。指示の能力、明確化の力は必須よ。

 

 もう一つ、「疑問を持ちながら妥当性を見出す」能力の育成も大事よ。AIはすごいけど完璧じゃない。学校の教科書は間違っていないことが前提だけど、生成AIにせよネット検索にせよ、出てくる答えに間違いが含まれる可能性はある。その前提を無視しちゃだめよ。

 この点、文部科学省もツボを押さえているわ。7月に出した暫定ガイドラインでは、生成AIの活用に当たって、子どもたちが自ら考えたり創造したりする力を育むことを優先事項としているの。(齋藤孝超AI時代の『頭の強さ』」KKベストセラーズ)(西田宗千佳「生成AIの核心」NHK出版新書)

 

 要は、AIを使っていれば誰でも藤井8冠になれるってわけじゃないってこと。目標を定め、それに向かって考え抜くこと、その際にAIの助けをちょっと借りるという姿勢が必要ってことよ。教育現場では、まずは、生成AIの持つ潜在力を十分引き出せるような基礎学力を子どもたちに身に付けさせてね。