労働力人口は減るが危機的ではない?雇用形態の二極化への備えを!

2018年11月19日(月)

 私はレーブ。日本の労働力人口の減少が危機的とされている。

 メディアアーティスト、落合陽一氏の話を聴く機会があった(半分黒、半分赤の印象的なファッションだった。)。この点について彼は言う。自身の得意分野である「テック(テクノロジー)」が鍵の一つと。AIやロボットが人間の仕事の肩代わりをしてくれる、または手伝ってくれるのは興味深い。

 国会では外国人労働者の受け入れ拡大が議論を呼んでいる。今後5年間で最大34万人受け入れる模様だ。

 

 だが、私は思う。そこまで危機的にはならない。人口自体も大きく減少していく。当然、国内需要も減る。定年延長の話も出ている。みんなの健康長寿への意識も高く、アンチエイジング(うさんくさいものもあるが)がはやりだ。

 

【人口の推移(国立社会保障・人口問題研究所)】(単位;人)

      全人口    15~64歳(生産年齢人口)

2015年  1億2710万   7728万

2040年  1億1092万   5978万

差     ー1618万  ー1750万

 

 10月9日、経団連が就職活動ルールの廃止を宣言した(週刊東洋経済2018.10.27)。2021年度から一括採用は「止め」だ。

 むしろ雇用の先細りを見据えているのだろう。目下、労働力の売り手市場とされている。でもバブル期ほどではない。次の東京オリンピック後の景気縮小も気になる。こうしたことから、2020年以降、よりグローバルな視点で優れた人材を確保したいとする狙いが見受けられる。

 また、これを機に、一括採用だけではなく、終身雇用、年功序列を前提とする日本型の雇用慣習を変える動きも加速するだろう。その結果、欧米のように中途採用も柔軟に行い得る「ジョブ型雇用」を推進する大企業をはじめとするグループと、「日本型雇用」を維持する中小企業のグループの2つに道行きが分かれていくだろう

 

 前者については、「超」競争社会を覚悟しなければならない。雇用も絞られる。それこそ外国人も参戦だ。

 雇用の安定という面では後者が極めて重要だ。経団連の宣言に対し、中小企業で構成される日本商工会議所の会頭は、「何もルールがないと就活がどんどん早まる」と懸念を示している。立場が異なるわけだ。

 中小企業は、コンパクトで便利な製品やきめ細やかなサービスを生み出し続ける良さを発揮する可能性を秘めている。「テック」をどう使いこなすかによっても付加価値を示すことができる。グローバルに活躍するところ、大企業から自立するところもあってよい。

 

 しかし、全体に賃金の上昇を求めることは難しいだろう。高齢者や外国人労働者、「テック」に頼るとなればなおさらだ(どちらかというと遊ぶコストが下がるのを期待したい。)。

 国内労働者の大半がこのような状況に置かれれば、労働者の社会保障の充実が求められるだろう。いや、ベーシック・インカム(最低限所得保障)の導入を熱望する声さえ高まるかもしれない。

 大企業やその構成員を含めた高額所得者はこうした世の中の声に応え、富の再分配に積極的な役割を果たすことが求められる。その覚悟を持つことが必要だ。

 

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