学校を休んで、増やせ「体験値」!

2024年7月29日(月)

 エディカです。

 

 夏休み突入ね。子どもたちには、普段では味わえない「体験」をしてもらいたいわ。かと言って、パリへ行ってオリンピック観戦とはいかないわぁ・・・パパママも頭を悩ませているんじゃないかしら。

 お手軽に工場見学なんてどう?お菓子やこんにゃくゼリー、アイスの製造は興奮ものよ。卸売市場、造幣局といった社会見学、防災館や仕事のテーマパークなど体験型施設もいいわね。施設もの以外では、キャンプや磯遊びでの自然とのふれあい、海外の人たちとの交流、純粋に旅行も素敵な「体験」よ(「まっぷる 工場見学 社会科見学 首都圏」昭文社)。もちろん、「放課後の体験」と言われる水泳などのスポーツ、音楽などの文化・芸術も大事ね。

 

 

 ところで、私が心配しているのは、こうした「体験」の機会の「差」が広がっていること・・・特に低所得家庭では、「体験」が過去1年間で「ゼロ」の子どもたちが全体の3分の1近くもいる。お金の問題もさることながら、お母さんが仕事を掛け持ちしていて、子どもの送り迎えやサポートに充てる時間が無く、泣く泣く断念しちゃうこともあるらしいの。

 体験の価値はその時々の楽しさだけでなく、社会情動的スキルにも関係するわ。つまり、子どもたちの想像力や選択の幅に影響してくるの。全く同じ学校教育を受けていても、卒業後の「伸び」に差が生じる・・・こうして、格差が「再生産」されるの。(今井悠介「体験格差」講談社現代新書

 

 ここは、ぜひとも「地域の力」を借りたいところね。青少年教育施設はこの25年間で450か所以上も減っている。こうした公共施設を維持し活用するの。人材は、会社を引退した人や地域の人から有償ボランティアを募って協力してもらってはどうかしら。ピアノが得意な人ならピアノを、サッカーが好きな人ならサッカーを子どもたちに教えるの。ここで大事なのは、「勝つ」ことよりみんなで「楽しむ」こと・・・近くの公園を使って、子どもたちにキャンプ生活の疑似体験させてもいいわ。学校や塾、スポーツクラブに任せっきりにしないで、受け皿を用意するの。

 

 加えて、平日に「時間」を作れると理想的ね。「学校を休むこと」はタブーに近いものがあるけれど、コロナ禍を契機に「休むこと」のハードルが下がったわ。

 例えば、年に数日の「体験休暇」を設けて、計画的に非日常の「体験」をしてもらうの。休日の混雑を避けられるし、金額的にもお得なことが多いわ。こうした経験を積むことで、社会に出ても「休むこと」をポジティブに捉えられるようになる・・・まさに、「体験」の「再生産」よ(保坂亨「学校と日本社会と『休むこと』」東京大学出版会)。実現には、議論と地域における環境整備が必要ね。少子化の時代、一人ひとりの価値を高めるためにも「体験値」を増やす試み、考えてみない?