2018年12月10日(月)
エディカです。
11月24日、大阪で2025年に万国博覧会が開催されることが決まったわね。よかったわ!大阪は経済的に「地盤沈下」と言われて久しいし、2020年の東京オリンピックに続いての大イベントだから、日本全体としても注目されるチャンスね。ぜひ成功して欲しいわ。
でも、この手の万博の開催は国内では最後になるかもしれないわね。課題はやっぱり収益ね。マーシャル・マクルーハン(1911~1980)っていうカナダ人でメディア理論で有名な人が主張してたらしいわ。
「万国博覧会は過去のものになった」
「電波メディアの急速な進歩によって、地球は小さな村になる」
1970年大阪万博の立役者、堺屋太一氏によると、情報を伝える手段として、人々のいる場所に情報を届ける「送達型メディア」と、人々を情報源近くに集める「集人型メディア」があるみたい。そんな中で、新しい通信技術が登場したとしても「集人型メディア」への揺り戻しがあるらしいわ。実際、1970年の時も心配されたけど想定以上にたくさんの来場者があったようだけれど・・・・・・はたして今回はどうかしら?
おそらく博覧会でお披露目されるのは、自動運転、IT、AI、ロボット、VR(バーチャル・リアリティ)などこれからの世の中を彩るであろうテクノロジーで間違いないわ。各国が競うように展示するでしょうね。それはそれで楽しみだわ。
この前、チームラボ・プラネッツに行ってきたの。暗い中みんな裸足になって、膝までつかる水の中でコイ(もちろん映像よ!)を追いかけたり、つるつるしたタイルやざらざらしたじゅうたんを足の裏で感じたりしながら通路を歩いて行くの。新鮮だったし、とても刺激的だったわ。
でも、さっき紹介した「送達メディア」の発達は私たちの想像をはるかに超えて目覚ましい、マクルーハンの時代からも1970年からもすさまじく変わったわ。日本国内もそうでしょうけど、外国の人が自国でも(それこそ自分のおうちで寝っころがってても)十分体験できそうなのにわざわざ海外まで行ってそれを見たいと思うかしら。しっかり黒字が出せないようだと次の万博はどこも躊躇するでしょうね。
【過去50年間の主要万国博覧会における入場者数】
1967年(昭和42年)モントリオール 5086万人
1970年(昭和45年)大阪 6422万人
1922年(平成4年)セビリア 4180万人
2010年(平成22年)上海 7300万人
あとはコンセプトね。昨今おなじみの「持続可能な開発目標(SDGs)」とか地球環境あたりがひょっこり顔をのぞかせるでしょうね。そしてその解決策も結局は披露されるテクノロジー頼みってことになると容易に想像されるわ。
でもそれじゃあ会場に来てくれる人に、持続可能性や地球環境についての危機感を「リアリティ」をもって感じてもらうことは無理でしょうね。いくら会場で刺激的な体験をしても、次の日には何事も無かったかのように日常生活に戻るの。加えて、会場も建物もぱっと造って半年も経ったらぱっと壊すんでしょう・・・・・・そもそもこうしたコンセプトと相容れないわね。
万博を成功に導くためにはコンセプトがとても重要。それも日本でなければ打ち出せないもの、わざわざ日本に行って見たい!って思わせるようなものにしてほしいところね。
例えばだけど、「災害からの力強い復興」ってのはどうかしら?そもそも日本は自然災害が多いわ。2010年代に入っても東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨など大きな被害を及ぼした様々な災害が発生し、今でも復興の途中よ。その様子を海外の人に見てもらえるってなると復興で頑張っている人たちの意識もぐんと高まるわ。あわせて、これまで支援してくれた諸外国に感謝のメッセージを発信するの!
また、VRとかを使って会場で災害の疑似体験をできるようにすれば来場者に「リアルに」危機感を持ってもらうことができるわ。自動運転の途中でも災害にも対応できるってなるとすごいPRになるのは間違いないわ。イベント開会中の防災体制やマニュアルを提示するのはどう?安心して見学してもらうの。当然、出展してくれる各国における様々な災害の体験や取組を紹介してもらうことも意義があるわ。
自然災害には温暖化防止などの環境問題が絡んでくるから、こちらも各国の取組を紹介してほしいところね。そして、会場では太陽光発電や風力発電など再生エネルギーの利用を徹底するの。さらに、衛星を使った気象監視システムなど宇宙開発も関係してくるでしょうから、その関係の展示もあってもいいわね。
あれやこれや考えると今から楽しみだわ。実際はどうなるか分からないけど、ぜひ歴史に残る万博になってほしいわ。そうそう、私の大好きなお好み焼きやたこ焼きもちゃんとPRしてほしいわね。