2018年12月24日(月)
ソシエッタです。
今日はクリスマスイブですね!みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
年末になるとテレビの芸能人格付け番組が気になってきます。2019年もGACKTさんは勝ち残り続けるのでしょうか?テレビの前では気楽に見ていられますが、私たち自身が格付けされるとなるとあまりいい気はしないですね。
中国では国レベルで取り組みを進めています。2014年に導入が宣言された「社会信用制度」です。これは、国民一人一人について信用履歴や履行能力、人間関係などに基づいて点数をつけるものです。(レイチェル・ボッツマン「TRSUT」日経BP社)
これは、テレビ番組のように、高級ワインを当てたり本物の盆栽を見分けたりすれば点数が上がる、というような平和なものではありません。政府の意向に沿わない行動をとったりすると点数が下げられる可能性があります。
点数が低いとどうなるでしょう?レストランへの入店規制やインターネット接続に規制がかかるといったペナルティが課せられるおそれがあります。中国ではスマホを利用したキャッシュレスが進んでいますので、お店の買い物すらストップされるかもしれません。
また、中国では、愛犬マナーについてのポイント制が導入されています。飼い犬のふんを路上に放置したり、リードなしで散歩させたりすると減点され、最悪の場合、飼い犬が押収されます。効果はてきめんのようです。これは、「社会信用制度」の予備実験と言えそうです。(Newsweek2018.11.13)
中国ほどではないにしても日本でも携帯電話会社を中心に「信用スコア事業」参入の動きが見られます。その上、来年3月には、個人情報を他の企業に提供する「情報銀行」の仕組みもスタートします。
このような流れからすると、当面は経済の活性化が目的だとしても、そのうち、個人の格付け、ひいては個人の毎日の動きを監視する仕組みが容認されていくでしょうね。
【信用スコア事業の例】(AERA2018.11.26)
・ヤフー 「ヤフー信用」
・NTTドコモ 「ドコモスコアリング」
・三菱UFJ信託銀行 センサー内蔵の靴で歩行速度や距離などの運動情報
・日立製作所 家庭での電力使用量のデータ
・電通 個人情報を一元管理するアプリの提供
このことについては否定的に受け止める方もいるでしょう。個人の自由や人権を守ることは大切です。一方で、監視システムは犯罪の抑止にもつながります。すなわち、犯罪によって奪われる自由と人権を守ることにつながるのです。
はーい、フィナよ!お久しぶりね。
システムは個人の登録を前提としているから、ついでに税金逃れや社会保険料の徴収漏れといった問題も解決できるのね。とっても嬉しいわ。「正直ものが馬鹿を見ない」、そういう社会を早くつくるべきね。
これまで犯罪による被害を受けた方や社会的弱者とされている方が一致団結すれば、システム導入に向けた大きな力になるわ!反対するような人は、「悪いことを企んでいるんじゃないの」と疑惑のレッテルを貼られて、かえって居心地が悪いでしょうね。
ソシエッタです。
個人を監視するシステムの導入は止められないでしょう。そのこと自体は仕方ないものとして、もっと根本的な点なんですけど、ある一定の価値観で縛られることによって、私たちの発展が妨げられないかどうかを考えておくことが必要です。
これまで人類はDNAの突然変異により進化し、生き残ってきました。鍵となるのは「多様性」です。テクノロジーによってものごとがどんどん標準化されていくこれからの社会にあって、いかにこの「多様性」を保つのか。お隣の国の壮大な実験を見守りつつ今から考えておくことが重要だと思います。