日本よ、国債はほどほどにして、堂々と「小国への道」を歩こう。

2023年6月12日(月)

 フィナよ~。

 

 防衛力財源確保法案をめぐる議論が激しくなってきたわ。衆議院の解散風も吹いてきたし。そろそろみんな腹をくくるべきね。日本は「小国への道」を歩むべき、そして、その方向で財源確保の長期プランを立てるべきよ。

 

 

 ところで、国の一般会計予算の内訳って知ってる?歳入114兆円のうち3分の2が税収で、残りの3分の1が公債。歳出は社会保障が3分の1を占める。この社会保障費はまだまだ増えるわね~。その増加分を埋めるのは税金か国債。でも、みんな税金を払いたくないから、国債に頼ろうとするわ

 国債に頼りたい人の論理はこうよ。国債は政府の借金で、担保は「国」そのもの。日本では、日本銀行が大半を保有しているから、投げ売りされることはない。だから、財政赤字になろうと「心配」せずに、どんどん発行すればいいって。この考え方はMMT(現代貨幣理論)と同じね。

 ここで言う「心配」とはインフレのことよ。異次元の金融緩和が始まって10年経つけど、日本ではインフレどころかデフレが続いたわ。だから心配は杞憂に過ぎないってことらしいの。(中野剛志「どうする財源」祥伝社新書)

 でも、デフレが続くのは日本の経済成長が限界に達しているから、生産年齢人口が減っているからよ。現実を見ないで、過去の栄光を引きずってちゃだめね。

 

 世界一の過剰貯蓄、潤沢な対外資産など、大丈夫と思いたい材料はある。でも、潜在リスクもあるわ

 一つは、異次元緩和の際に導入した日銀当座預金の「付利」という仕組みと国債の短期ファイナンス化。これらのおかげで、金利がちょっとでも上がると日銀に巨額の赤字が発生する。その影響が「円安」に飛び火すれば物価は間違いなく上がるわ。

 もう一つは、異次元緩和の副作用。これでもかと資金注入を続けたおかげでみんなの「感覚」がマヒしちゃったわ。超低金利でなければ経済活動ができないという甘えた状態ができちゃったの。(河村小百合「日本銀行 我が国に迫る危機」講談社現代新書

 

 リスクは確実に高まっている。もはや問題の先送りは許されない。必要なのは、日本の将来人口を冷静にみて「小国への道」を歩くという覚悟と、災害や戦争といったリアル危機が発生しても押しつぶされない、頑強で持続可能な財政システムよ。(森田長太郎「政府債務」東洋経済新報社

 そのためには「人」を大事にすることが重要ね。そのことが日本の「信用」を保ってくれるの。だから、財政が厳しいからといって無謀な緊縮政策を採ってはいけないわ。(デヴィッド・スタックラーら「経済政策で人は死ぬか?」草思社文庫)

 

 国のダウンサイジングを念頭に財政再建を進めること。国債は発行するにしてもほどほどにして額を減らしていくこと。そして、不足分は、堂々と増税を進めること。今の日本にとって「小国への道」こそが「王道」なの。