キャッスレス社会の新時代に必要なのはカード機能の天下統一!

2019年1月28日(月)

 はーい、フィナよ。今年もよろしくね。

 

 この間、お財布を買ったわ。わたしのチェックポイントはカードポケットの数ね。今、手元にクレジットカードやポイントカードがたくさんあるんですもの。それなりの数が必要よ。もちろんコンパクトなのが何より大事。だから本当は「キャッシュレスならいいのに・・・」と思ってしまうわ。ついでにカードの種類も少なくなるよう「統一」してほしいわ。そうすればお財布がぐんと軽くなるでしょう、って言うか、いっそのことお財布自体が要らないわね!

 

 経済産業省は2025年までに全国の決済の4割をキャッスレスにする目標を掲げているわ。さらに、今年導入予定の消費税増税に合わせて、キャッシュレスの買い物を対象にしたポイント還元が検討されているみたいね。いよいよ日本にも本格的なキャッシュレス社会がやってくるのを実感するわ。

 

【計算上の1人当たり現金保有高(米ドル換算2015年)】(出典;ケネス・S・ロゴフ「現金の呪い」(日経BP社))

 

  日本     6,456

  米国     4,172

  ユーロ圏   3,391

  イギリス   1,724

  中国        712

 

 国際的に見れば、日本は文句なしに現金社会ね。それだけ現金に対する信用も高いし、治安も良いってことかしら。アメリカも金額ベースではなく件数で見ると現金決済が40%を占めているそうよ。でも今や、現金どころか店舗で一切の決済手続きを行わないアマゾンゴーが話題になったのは記憶に新しいわね。日本でもJR東日本赤羽駅のホームに無人店舗を設置して、試験的導入を図っているようだし、これからどうなっていくのかワクワクするわ。

 

 お隣の中国ではキャッシュレスによるお買い物がかなり浸透しているわね。スマホQRコードの読み取りとかで決済ができるの。有名なIT企業別にいうと、アリババはアリペイで、テンセントはウィーチャットペイでそれぞれ仕組みを用意しているわ。

 これら中国のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)って呼ばれている新興勢力の成長はすごいわね。売上高はまだ及ばないようだけど、時価総額で米国GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)を追い上げてるわ。

 

GAFA・BATの時価総額/売上高】(読売新聞2018.11.24)

グーグル     7589億ドル/1108億ドル(2017.12)

アップル     1兆599億ドル/2655億ドル(2018.9)

フェイスブック  4360億ドル/  406億ドル(2017.12)

アマゾン     7814億ドル/1788億ドル(2017.12)

バイドゥ       665億ドル/  130億ドル(2017.12)

アリババ     3688億ドル/  398億ドル(2018.3)

テンセント    3259億ドル/  363億ドル(2017.12) 

 

 韓国に至っては決済の9割に達していてびっくりだわ!税金の所得控除やカード番号を使った宝くじで普及のインセンティブを図ったみたい。

 日本ではクレジットカード決済でさえ19.6%、プリペイドカードでは3.2%(2017)と現金主義から抜け出せないし、IT企業も巨大化とまではいかないようね。(AERA2018.11.26)

 

 もちろん不安要素があるのは否定しないわ。一つは、個人情報が漏洩するのではという不安ね。「振り込め詐欺」みたいに悪用される可能性もあるから慎重にならざるを得ないわね。でも、テクノロジーリテラシーが高い若い人はそんなに抵抗感が無いのかも?

 

 ソシエッタです。 

 信用制度の導入も心配の一つと考えます。以前述べましたように個人の格付けにつながります。ソフトバンク、ヤフー、ドコモといった名だたるIT企業が、違いはあってもそれぞれ支払い履歴や購買行動といったデータを分析して信用情報を数値化する仕組みづくりを進めています。未払いが発生するとカード決済ができなくなるペナルティが課せられることも想定されます。

 

 そうね。あと、個人的に浪費してしまうのが怖い、という不安もあるでしょうね。人って目に見えているものや体験していることへの意識は強いみたい。

 こんな話があるわ。ブラジルの、学校にも行っていない物売りの子供たちに桁数の多い数字を読み上げるさせるといまいちだったけれど、足し算や引き算をさせると目を見張るような成績を挙げたそうよ。つまり、日頃の経験が物を言うってことね(スティブン・スローマン&フィリップ・ファーンバック「知ってるつもり 無知の科学」早川書房)。

 現金が見えないという状況では出費に対する感覚がマヒしちゃって、いずれ借金返済に追われることになるかも、っていう不安はたやすくは否定できないわ。

 

 でも、わたしとしてはメリットを強調しておきたいの。

 キャッスレスの大きなメリットは犯罪予防ね。決済手続きが全て電子上でできる世界になれば、こそこそと現金のやりとりをすることが減るわ。ブロックチェーンの技術を使えば相互監視機能も働くでしょうし、過去の決済を遡って追いかけることも可能よ。脱税も賄賂も減るでしょうね。昨年から日産のゴーンさんのことが話題になったけれど、高額所得者は要覚悟ね!

 他のメリットとしては、人手が不要になっていくので手続きコストが下がるってことが考えられるわ。

 

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 でも、キャッシュレスのメリットをもっと享受しようとするのであれば更なる工夫が必要ね。それが最初に言った「カードの統一」。と言っても必ずしも単一のカードにしなくちゃいけないというんじゃなくって、発行元は別々の複数のカード同士の「互換性」を最大限にすればいいわ。

 いつでもどこでも使えるカードが一枚、買い物系カードも交通系カードも全部を共通にするの。プリペイド機能を前提とすればカード破産の心配も緩和できるわ。これにポストペイ機能、すなわちクレジット機能も付けちゃうの。同時に、ポイントカードは全部廃止して、ポイント自体はカードを発行した店舗グループで決済すれば付いてくるという形にすれば、わざわざ何枚もポイントカードを持ち歩く必要もなくなるわね!

 チャージについても、どのATMを使ってもできるようにするの。もちろん現金からのチャージじゃなく預金口座からの電子的なチャージよ。

 さらに、カードの使用履歴の全体像を分析できる仕組みがあるといいわね。新しくビジネスチャンスが生まれるかもよ。

 そして、カードを持つのも面倒って人は、スマホにぜ~んぶ入れちゃうの。

 

 歴史はあんまり強くないんだけれど、戦国時代に織田信長楽市楽座という今で言うプラットフォームを作って商業を活性化させたみたいね。そして天下統一まで近づいたのはみんな知ってるわね。今回はぜひ「カード機能の天下統一」を果たすことで全国の消費活動やビジネスを活性化させて欲しいわ。