中国金融の上昇気流にうまく乗れ!

2019年10月28日(月)

 フィナよ。

 

 ラグビーワールドカップが盛り上がってるわね。世界の列強の中で日本の活躍は嬉しいわ!でも、ようく見ると出場国はイギリスやフランスと歴史的に関わりのある国が多いわね。現在の「大国」じゃないの。大会が終わった後、私たちは再び大国の存在を思い出すでしょうね。

 

 その一つは中国。中国経済が世界で大きな地位を占めていることは疑いようがないわ。米中貿易戦争はその表れね。あれだけ中国のWTOへの参加に熱心だったアメリカとしても無視できなくなったの。8月には、中国を「為替操作国」に認定して、貿易赤字を減らそうとけん制していたわ。なりふり構わないって感じね。(週刊エコノミスト2019.9.24)

 でも、そんなに焦る必要はないわ。だって、中国にとって変動相場制は避けられなくなる事態を迎えることは目に見えてるんですもの。(Ⅼ・ランダル・レイ「MMT現代貨幣理論入門」東洋経済新報社) 

 

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  それよりも、そんな中国にも苦手分野があるってことを言いたいわ。それは「金融」分野よ。そして、金融分野こそ、経済成長が止まっている日本にとって突破口になるポテンシャルを秘めているわ。みんなにとってもお得かも。紆余曲折はあるだろうけど、金融分野の日中協力については是非背中を押したいところね

 

 中国金融の特徴は以下のとおりよ。

①規制に守られた閉鎖的市場のため、ゾンビ企業が温存されている。

個人投資家の割合が圧倒的に多い。企業価値が高いベンチャー企業である「ユニコーン企業」が100社以上存在し、「投資」へのニーズは大きい。

③高齢者社会に向けた制度面の準備が不十分なため、保険市場の成長が見込まれる。

(柴田聡「中国金融の実力と日本の戦略」PHP新書

 

 課題もあるけれど、魅力的な市場と言えそうよ。そして、中国政府は金融行政に力を入れて国際的にオープンにしていこうと懸命に取り組んでいるわ。

 具体的には、2017年に「国務院金融安定発展委員会」の設立が決定したわ。これは、縦割りの金融行政を一元化し、政府全体で金融システムを安定的に運営していこうとするものよ。

 さらに、日本との協力については、証券市場に「日中ETFコネクティビティ」を構築したわ。ETFとは上場投資信託のことよ。日本のETFが中国に上場するのは初めてのことよ。チャイナマネーを日本の株式市場に直接取り込むことになるわ。

 

 なぜ、そんなにまでして日中連携が必要なのかって?

 一つには、お互いの投資機会を増やすことが挙げられるわね。閉塞感が漂う日本経済だけど、インバウンドで「爆買い」が話題になったように、チャイナマネーの力で活性化できるわ。中国の富裕層人口は日本の全人口を上回る1.8億人超なの。さらに増えていくわ。「投機」ではなく、日本企業を正しく評価して「投資」してもらいたいわ。「メイド・イン・ジャパン」商品のファンも増えるんじゃなくて。

 

 また、スマホ決済が進むかも。日本の状況はまだキャッシュレスとは言い難いわね。鳴り物入りで始まったセブン‐イレブンのセブン・ペイも不正アクセスを受けてあっという間に閉鎖に追い込まれてしまったわ。スマホ決済にノウハウのある中国企業の協力を得れば、キャッシュレス化が一気に進んで利便性が高まるわ。

 

 ちなみに、中国のAIテクノロジー4大企業「BATH(バース)」の一角、アリババは、アリペイでキャッシュレスを世界各地に展開しているわ。そして、傘下の旅行会社「飛猪(フリギー)」を利用して中国人は世界各地を旅行し、アリペイを使っているわ。とても便利と思わない。(現代ビジネス研究班「世界の覇権企業」KAWADE文庫)

 この夏、Kyoさんと一緒にドイツ・オランダに行った際は、プリペイドカードでキャッシュレスを体験したけれど、たくさんの現金を持たなくていいのは気持ちいいわね。旅行会社とのタイアップがあれば手続きがさらに楽になるわ。

 こんな風に、金融の効率を最大化することによる経済効果も生まれるわ。ビジネスモデル自体、変化していくかもね。

 

 もちろん、中国との協力には不安もあるわ。具体的には、情報セキュリティや技術流出等に対する懸念ね。だからこそ、民間ベースではなく、国同士でしっかり検討してルール整備をしていく姿勢が大事よ。ぜひこうした課題を日本政府が先頭に立って克服していってほしいわ。

 

 いずれにしても国際金融における中国の潜在力は無視できないわ。世界一の経済大国になろうとしている隣で指をくわえて見ててもつまんないわね。これからの中国金融の上昇気流に日本も乗っかるべきね