2023年1月16日(月)
フーディンだよ。
今年もよろしく~。ところで、みんなおせち料理は食べた?鏡開きのおもちはぜんざいにしてたりする?よ~く考えてみたら、これらは保存の効く食べ物として伝えられてきたものだよね。
今はダイエットや健康といった観点から、糖分や塩分を控え目にした食品が増えてきてる。一方で、砂糖や塩のおかげで抑えられてきた雑菌が繁殖しないか心配になるよ。みんなで食中毒の基本知識を押さえておくことが大事なんだな~。
食中毒は大まかにいって、①細菌などの微生物によるもの、②自然毒によるもの、③化学物質によるものの3種類があるんだ。
①の微生物の代表は、カンピロバクターだよ。原因不明なことが多いけど、判明した事例だと鶏肉に関連する食品が大半で、微生物由来の食中毒の中では最も多く発生しているんだ。主な症状は腹痛、下痢、発熱。お肉やレバーを生で食べたりしないで、75℃で1分以上の加熱で死滅させようね。
ついでに気を付けておきたいのがウェルシュ菌。面白いことに「芽胞」という形態変化を起こして身を守るんだ。芽胞になると、熱や紫外線、消毒剤にも耐えれるようになるから厄介だよ。「カレーの作り置きを食べたら食中毒になった」って話を聞いたら、その場合はウェルシュ菌が犯人だろうね。加熱調理後、だんだん温度が下がってきて50℃くらいになると、カレーに入っている牛肉なんかに潜んでいたウェルシュ菌が増殖を開始するんだ。まさに、ステルス。室内で放置せず、2時間以内に冷蔵庫に入れて急冷することが大切なんだよ。
冬はノロウイルスの出番だね。もともとは牡蠣(カキ)関連の食品が原因だったけれど、今ではお弁当やお寿司などフィールドを広げてる。嘔吐や下痢を引き起こすよ。それこそ新型コロナのように「エアロゾル」になって拡散するから、高齢者施設や学校などで集団感染を引き起こす。乾燥状態でも2週間は生存するから、手すりやドアノブにしがみついているかも。手洗い・掃除を徹底しようね。あと有名どころとして、サルモネラ、腸管性大腸菌、アニサキスがある。お肉やお魚などを生食する場合は警戒が必要なんだな~。
②の自然毒の代表格はフグとキノコ。発生場所は圧倒的に家庭が多いよ。釣ったり山で採集したりして、自宅で食べて起きるんだな~。キノコは日本に4000~5000種類もあるけど、食べられるのはたったの100種類なんだよ。だから、野生のキノコはまず食べられないものと考えておいていいよ。他にも巻貝、ジャガイモの芽に注意しようね。
③の化学物質では、ヒスタミンによるアレルギー様の食中毒が最も多い。最近でも福祉施設や学校給食で集団発生してるんだ。原因はサバなどの青魚だよ。食べた後、数分から30分くらいで口や耳が赤くなって、頭痛、じんましんが起きる。こうしたものは流通過程や販売店でちゃんと温度管理をしてもらわないとね。
こうしてみると、食中毒を予防するには、正しい知識を持つこと、野生のものを食べないこと、その上で手洗い・うがいをこまめにする、生食はできる限り避ける、食品の温度管理に気を配るといった基本行動の徹底が大事なんだな~。
当然、飲食店はもっと厳しく対応しなくちゃだめだよ。なんだかんだいって食中毒の発生場所は飲食店が最も多いんだ。2021年6月から、全ての食品関連事業者はHACCP(ハサップ)を導入することが義務づけられたよ。HACCPとは、食品の製造工程に関する衛生管理の手法であって、工程を細かく分けて、それぞれにおいて細菌やウイルスが混入しないか、増殖しないか、ハザード(危害)を想定して管理するんだ。
特に、新型コロナウイルス感染症のおかげで営業時短や休業を余儀なくされた飲食店では、食中毒についても意識を高く持っておくことが大事だよ。仕入れから保管、調理、盛り付け、宅配に至るまで気は抜けない。清掃・洗濯、手洗いはもちろん、これらを従業員に徹底させるんだね。といっても限界があるから、設備など構造面で工夫するのがおすすめなんだな~。例えば、シンクは大きくして手首まで十分に洗えるようにしておく、回転式の蛇口はやめてレバー式にする、飛んでくる昆虫は白熱灯や蛍光灯が出す光を好むから、昆虫が好まないLEDに変更する、換気には吸排気の両方を備えたシステムを採用するなどだよ。(河岸宏和「図解飲食店の衛生管理」日本実業出版社)
観光や外食が復活しつつある。宅配もすっかり定着してきたところ。マスク着用や消毒など衛生管理に対するみんなの意識が高まった今こそ、食中毒を防ぐための基礎知識も備えておくといいんだな~。すると、お店を選ぶ時にも役立つし、選ばれるお店側も真剣になってくれるよ。安心して楽しく食事ができる環境を作っていこうね。