2021年6月28日(月)
フーディンだよ。
みんな、「ファスティング」って聞いたことある?
「断食」のことなんだけど、働きながらのファスティングに関心が高まってるんだ。新型コロナウイルス感染症のせいで、楽しみと言えば食べることくらいなんだけど、移動の自粛や在宅勤務なんかで活動量が減って、今までどおりに食べてるとあっという間にカロリーオーバーになっちゃうんだな~。
そこで、おすすめなのが「ファスティング」。間欠的な断食とカロリー制限を行うことによって、体にキレが出てすっきりするだけじゃなく、健康で長生きでいられるんだって。
断食には実に長い歴史があるよ。古代ギリシャの「医学の父」ヒポクラテスは、病気は飲食を止めることによって治せると主張した。中世アラブの医師で当時最高の知識人とされたイブン・スィーナーは、3週間以上の断食をたびたび治療に用いた。そして、アメリカ合衆国建国の父の一人、ベンジャミン・フランクリンは、「休息と断食こそ最高の薬だ」と言った。
気をつけなくちゃいけないのは、科学的根拠に基づいた方法でやってるかってことなんだな~。糖質の代わりにとプロテインを大量に摂取したり、果汁がたっぷり入った酵素ドリンクを飲んだりしていると、かえって健康に良くないよ。正しく理解するために押さえておいて欲しいキーワードは「オートファジー」。(Asahi Shimbun Weekly AERA 2021.4.26)
「オートファジー」は、細胞内をいつもきれいに保ってくれる機能だよ。大隈良典氏が酵母で発見して2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞したことで知れ渡ったんだ。具体的には、細胞内の老廃物などを回収・分解し、その中の栄養になるものだけリサイクルする仕組みだよ。うまく使うことで、加齢性疾患や老化を防止する可能性が高いとされているんだな~。(吉森保「ライフサイエンス」日経BP)
「オートファジー」を活性化させる方法の一つは、インスリンやインスリン様成長因子1(IGF-1)の影響をブロックして、細胞内にある「mTOR」と呼ばれる物質の働きを抑えること。つまり、「成長」にブレーキをかけることなんだな~。(ジェームズ・W・クレメント「SWITCH」日経BP)
じゃあ、いよいよ実践編だよ。ポイントは3つ。
まず、精製した糖質や動物性タンパク質を避けること。直感的にこれらの栄養素は「成長」アクセルをふかせるって分かるよね~。実は、タンパク質も糖質と同じくらいインスリンの分泌を促すんだ。それに、一定時間内に処理できるタンパク質の量には限界がある。炭水化物ダイエットだからといって赤身の肉を食べまくるって話を聞くけどおすすめできないんだな~。また、酵素ドリンクも砂糖漬けにして発酵させた上、甘味料が使われたりしている場合があるから気をつけてね。
2点目は良質な脂質を摂ること。これは、糖質やタンパク質を制限する代わりに必要なカロリー摂取を保つのに有効なんだ。
食事に含まれる脂質には、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の3つが存在する。このうち、飽和脂肪酸はいわゆる「悪玉コレステロール」を増やすから、摂取はほどほどにしてね。また、トランス脂肪酸はポテトチップスやファストフードの揚げ物に含まれていて有害で健康上のメリットはほとんどないんだな。
残る不飽和脂肪酸が大事。多くの野菜やナッツ、油に含まれている。とりわけ「オメガ3脂肪酸」が健康に効果があるんだな~。代表的な食べ物で言うと、ブロッコリー、ほうれん草などの濃い緑色野菜、サケ、サバなどの冷水性で脂質の多い天然魚が挙げられるよ。だからといって摂りすぎには注意してね。
3点目は断食。成長に「ブレーキ」をかけることだね。具体的には、夜の食事から翌日の食事までの間は水分以外は食事を避けること。週に3日もやればいいよ。夕食を19時までに終えて朝7時まで何も食べなければ12時間断食したことになるね。
ちなみに、遺伝子が人間の寿命に影響する割合は7%で、ほとんどライフスタイルで決まるんだ。努力すれば報われるんだな~。かの徳川家康は73歳まで生きたけど、征夷大将軍になっても麦ごはん、味噌汁、おかずが一品か二品でイワシをよく食べていたんだ(鯛の天ぷらによる食中毒が死因という話もあるけどね)。ブレーンだった天海僧正は、家康に長生きの秘訣として粗食を薦め、自身も107歳まで生きたらしいよ。(奥田昌子「日本人の病気と食の歴史」ベスト新書)
こうした先人たちの知恵は現代に通ずるね~。違うのは、今の世の中はおいしそうなもの(誘惑)がいっぱいあること、そんでもって飲食がストレス発散の一つになっている点かな~。でも、残念ながら人間の身体は変わっていないんだな~。だから、みんなも「オートファジー」を発動させて、健康に生きまくろうね!