腸内細菌を制するものは、健康寿命を制す!

2023年7月24日(月)

 フーディンだよ。

 

 暑い日が続くね~。だからといって、アイスを食べ過ぎてお腹冷やさないでね。日本人の14%がお腹の不調を抱えているよ。その多くが「過敏性腸症候群」。通勤時に発症したら地獄だな~。鍵を握るのは腸内細菌。ここはひとつ腸内細菌を上手に育ててみない?

 

 腸は皮膚と同様、外界に接している臓器で、飲食物から栄養分を吸収する大事なところなんだ。だから、神経細胞は脳に次いで2番目に多くあるし、免疫細胞も約7割集まっている。脳や肝臓、腎臓、口腔にもつながっている全身の「司令塔」でもあるから用心深いんだね~。

 だから、腸が乱れると、免疫力が落ちて感染症にかかりやすくなる。潰瘍性大腸炎やアレルギー、がん、うつ病パーキンソン病など様々な疾患の原因にもなるよ。そして、「善玉菌」と呼ばれる腸内細菌は、そんな腸を守ってくれるんだな~。(江田証「超一流の腸活術」KADOKAWA

 

 ここで大事になるのが善玉菌のパワーアップ。方法は、腸に菌を入れること(プロバイオティクス)、菌のエサを入れること(プレバイオティクス)だよ。

 菌の代表格は乳酸菌。ヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品を食べるといいんだな~。また、健康長寿者の腸内には実は酪酸菌が多いんだ。でも、酪酸菌の入った食品となると台湾名物の「臭豆腐」くらい。毎日食べるのは無理だね。ここは発想を変えて、エサを食べて育ててみようよ。

 

 エサは何といっても食物繊維。腸内細菌のエネルギーになるんだ。日本人の摂取量は1日13.7gで、あと10g必要だよ。海藻類、穀類(玄米、もち麦)、野菜(ごぼう、きのこ類、ブロッコリー)を積極的に摂るといいんだな~。

 ついでに注意点をお伝えすると、高脂質・高カロリー食は腸にダメージを与える「悪玉菌」のエサになるから、食べ過ぎは厳禁だよ。また、「炭水化物抜き」ダイエットは根強い人気だけど、こんなことをすると炭水化物をエサにしている腸内細菌が減ってしまい、かえって太りやすくなるんだな~。(國澤純「9000人を調べて分かった腸のすごい世界」日経BP

 

 腸内細菌は、病気の治療や若返りにも一肌脱いでくれるんだ。ブラウティア菌はⅡ型糖尿病を予防・改善するとされているし、次世代善玉菌と呼ばれるアッカーマンシアは肥満をコントロールする。欧州食品安全機構にだって承認されてるんだよ。また、この菌は若返りの素を作ってくれる。その他、セロトニンは90%が腸で作られていて、抗重力筋を刺激して「たるみ」を解消してくれるよ。

 この他にも、腸や腸内細菌に関する新しい事実が次々発見されている。今後研究が進めば、高血圧や糖尿病といった疾患の予測だってできるみたい(内藤裕二「すべての臨床医が知っておきたい腸内細菌叢」羊土社)。ぜひ、このお腹の友だちとウィンウィンの関係を築いて健康寿命を延ばそうね!