民泊ビジネスを始めるのは吉か、凶か

2024年1月8日(月)

 トランだ。

 

 この正月も神社等での外国人の姿が目立ったな。インバウンドが復活しつつあると実感するぜ。この機会に民泊ビジネスを始めてみないか

 

 

 2022年の訪日観光客数は383万1,900人にまで回復した。コロナ禍前の2019年は3,188万人と過去最高を記録していた。これは世界で12位、アジアで3位。観光収入では世界で7位、アジアで2位だ。とすれば、まだまだ余力がありそうだぜ。

 しかも、今は円安という「追い風」が吹いている。とにかく外貨が欲しい日本にとってはおいしい。しかも、2025年には大阪・関西万博が控えている。開催期間は4月から10月と長いからインバウンドが一気に加速するだろう。(新山彰二「民泊✕不動産投資」プラチナ出版)

 

 そうなると、宿泊部屋数を確保しなくちゃならない。そこで民泊だ。民泊はうまくやればおいしいビジネスだ。一人でだってやれる。持ち家でなければ大家の許可が必要となるが、手続きとしては、保健所へ書類を届出しつつ、必要な消防設備を備えればいい。管理は住宅宿泊管理業者に委託すればいい。

 家具・家電の購入など初期投資は必要だが、部屋が埋まれば半年でペイできる。ゲスト対応はほぼチェックインとチェックアウトだけだし、Airbnbなどの民泊ポータルサイトを利用していれば、ゲストのせいで家具が壊れるトラブルについても、Airbnb経由で補償してもらえる。

 1年のうち180日以内とか、一定の床面積、キッチン、シャワー室、トイレ、洗面所が必要とかいった要件さえ満たせばいいんだぜ。

 

 民泊の成否は物件で決まる。MAX2~3人より、4~5人が泊まれる部屋のほうが稼げる。コロナ禍以降はゆったりとしたレイアウトの部屋が主流だ。「暮らすように泊まれる」部屋づくりがポイントだ。キッチンのスペースはあったほうがいい。必要ならリフォームしておこう。ネット環境も欲しい。なお、畳敷きなど「ジャパニーズスタイル」はNGだ。(ぽんこつ鳩子「民泊1年生の教科書」祥伝社

 場所のニーズは的確に把握しておきたい。欧米など日本から遠い国からの旅行客は長期滞在が多い。宿泊先はどうしても東京が多くなるが、日本各地を回りながら観光するから地方にもチャンスは巡ってくる。自然体験できる場所やアニメの聖地、桜の名所といった観光地までのアクセスを考慮することだ。意外なのがコンビニだ。多種多様なスナック菓子やスイーツは人気だ。民泊の周辺情報としてアップしておくといいぜ。

 

 他方で課題もある。ホテルの増築も進む。出口戦略を考えておきたい。短期決戦で挑み、ある程度のところで不動産投資に切り替えたらいい。また、安全保障も気がかりだ。それこそ気に入られたら、外資系に買い尽くされるかもしれない。自分のもうけだけ考えればいいのではなく、責任を持つことが重要なんだぜ。

 

ノーベル賞経済学者たちのアドバイス、「全員参加」でシニア経済を回せ!

2024年1月1日(月)

 コノミです。

 

 明けましておめでとうございます。今年はどんな年になるでしょう。昨年は物価高が話題になりました。政府は補正予算や来年度予算案で対応するようですが、さらに先を見据え、著名な経済学者たちの助言をヒントに本格的な経済対策を考えませんか。

 

 ノーベル経済学賞を受賞したアビジット・バナジーによると、日本のように既に豊かな国が再び経済成長する処方箋は無いそうです。「成長戦略」が成功するというエビデンスは無いのです。しかも、私たちには「投影バイアス」があります。何とかなっている今の状態がずっと続くように感じます。驚いたことに、岸田首相は所得税減税を発表しました。「何とかなるだろう」という淡い期待があるのです。

 増税は経済成長の足かせと思いがちですが、これまでのデータからは税率と成長の間に因果関係は見出せていません。安易な減税は自重するよう、経済学者は声を大にして指摘すべきです。そして、これ以上格差を広げないよう、富裕層への税率引き上げに踏み切るべきです。

 

 より大局的に日本の立ち位置を捉えてみます。米マサチューセッツ工科大学ダロン・アセモグル教授によると、国家の発展段階では特定集団のための中央集権的で収奪な制度ができますが、そこから創造的破壊を起こすには、「全員参加」のスタイルに変えていかなくてはならないそうです

 日本の場合、自動車など「特定」の産業の成功体験に引きずられています。これでは何も変わらず、ジリ貧の中で富の奪い合いがなされるだけです。政治制度を動かすには、文化の構成を変える必要があります。手っ取り早いのは、多様な構成を強制的に実現させることです。例えば、国会議員の一部を「くじ引き」で選ぶ、就業者の一定割合を外国人とする、役員の半数を女性にする等です。これらを実践すると革命を起こすのと同じ効果が期待できます。

 

 日本は世界最先端のシニア社会であることを自覚することも重要です。ノーベル経済学者のジョセフ・E・スティグリッツは、物質的な成長を続ける必要はなく、住みやすい都市づくりを推奨しています。(広野彩子「世界最高峰の経済学教室」日本経済新聞出版)

 人口の約3割のシニア層を顧客と捉えると、市場規模は1200兆円にもなります。また、日本人は平均3000万円以上のキャッシュを残して亡くなります。これを活かさない手はありません(大前研一「『老後不安』を乗り越えるシニアエコノミー」小学館新書)。

 戦略としては「儲け」一辺倒ではなく、消費マインドのハードルを下げながら、シニア層の満足度を高めることを考えます。例えば、これからは「おひとりさま」が増えます。他人との交流を増やしつつ、趣味、イベント、健康活動をサポートするマッチング・サービスが有効です。

 著名経済学者の言葉を胸に、2024年を日本再活性化の年にしましょう!

 

 

医療機関の経営がピンチ!健康を守るのはあなたの仕事?

2023年12月25日(月)

 ハルです。

 

 今日はクリスマスです。西洋文化ではありますが、日本でも当たり前の行事となっています。その西洋文化を取り入れていった明治時代、鹿鳴館や岩崎邸等の設計で活躍したイギリス建築家ジョサイア・コンドルは、「建築は医師のようなものである」という言葉を残しました。しっかりした土台があってこそ健康でいられるという趣旨のようです。

 「土台」として医療機関があります。病院や診療所です。でも、今後、人口減少が進むと、医療機関の運営は厳しくなります医療機関は存続できるのでしょうか。

 

 

 患者の多くは高齢者です。外来だと半分、入院だと3/4です。高齢者人口がピークになるのは2040年頃で、その頃までは医療需要は増え続けます。一方、医師1人当たりの患者数はすでに減少しています。医師数が増加していることも理由の一つです。

 そうなると医療機関の運営も怪しくなってきます。医療費は増加トレンドにあり、2021年度は45兆円に達しました。このままでは国の財政が持ちません。医療費削減の圧力が強まります。医師の養成数も減るでしょう。かつては医師不足が叫ばれ、医学部定員数を7,625人から9,384人にまで増やしましたが、もう限界です。

 

 病院については、医業利益が赤字となっている施設が増加しています。建築資材は高騰しています。新型コロナでは補助金等による一服感がありましたが、これからコロナ緊急融資の返済が始まります。病院の経営統合が増えるでしょう。200~299床の病院は採算性が高いですが、小規模病院は経営が厳しくなっています。経営統合により、身近にあった病院が遠のく可能性があります。(小松大介ら「病院経営の教科書」日本医事新報社)

 診療所も厳しいです。2020年には開設・再開合わせて8,700件の診療所が開業しましたが、廃止・休止も匹敵するくらい存在します。過去20年間、毎年約600件のペースで増え続けてきた診療所数は横ばいとなりつつあります。

 こうした中、国が求める「かかりつけ医機能」には夜間・休日対応や在宅医療が期待されています。でも、開業医の平均年齢は約60歳です。こうしたニーズに応え切るのは至難の業です。しかも、新薬開発や医療技術の進歩により、受療率は低下する傾向にあります。身近にあった診療所が遠のく可能性があります。(小松大介ら「診療所経営の教科書」日本医事新報社)

 

 病院も診療所も、統合や連携、グループ化が進むでしょう。そうなると、今までと同じようなアクセスは期待できなくなります。オンライン診療の推進が望まれます。でも、オンライン特有のもどかしさは残ります。

 これからは自分自身で健康を維持する努力がより一層求められていくことになります。結局は、バランスのとれた栄養摂取、適度な運動、睡眠こそが、健康の「土台」となるのです。

 

「その財政政策の効果はあるの」と問い続けてみません?

2023年12月18日(月)

 フィナよ~。

 

 もうすぐ来年度分の予算・税制改正の案が決まるわね。物価高が続く中、岸田政権も必死の予算編成を行っていると感じるわ。でも、財政政策というものは、常に国が置かれている状況を冷静に捉えた上で打ち出すことが重要よ。

 結論から言うと、日本の現在位置における財政政策は、国の債務が大きく、高齢化が進んでいるため、効果は小さいわ。唯一効果を期待できるとしたらジェンダー平等への貢献かしら。だって、日本はジェンダー・ギャップ指数が世界125位(2023年)と最低クラスだもの。(宮本弘曉「日本の財政政策効果」日本経済新聞出版)

 

 通常は、景気後退期に政府支出が増えると消費者の信頼感が高まるんだけど、高齢化は将来の税負担や不確実性に対する懸念をもたらすから、信頼感は高まらない。さらに、高債務経済が不安を増幅させる。

 こういう時に所得税を減税するのって「悪手」ね。家計を支援する良策に思えるけれど、国民の不安を一段積み上げることにしかならないわ。そもそも源泉徴収で税負担を見えにくくしているから減税効果も見えにくいし・・・。

 むしろ、企業の「もうけ」とのバランスを考えるべきね。サラリーマンの給料はこの20年間で20ポイント下がっているけれど、企業の内部留保金は484兆円(2021年度末)とふくらんでいる。消費税が増税される一方で、所得税法人税の税収はこの30年間に約10兆円も減少している。経済規模は30%以上も拡大しているっていうのに、おかしくない?(大村大次郎「消費税という巨大権益」ビジネス社)

 

 こうした「ちぐはぐさ」は少子化対策にも表れているわ。児童手当があっても税金の扶養控除が受けられないから、実質的な支給額は年間6~7万円しかない。教育費のことを考えると厳しい金額よ。

 本来なされるべき所得の平等化が不十分だと財源が確保できず、結局、対策が中途半端になって逆効果をもたらすわ。日本は政府介入によって子供の貧困率が逆に上昇している珍しい国よ。「人」を軽視し続けたツケは重いわ。人口減少は加速する一方よ。(大西広「『人口ゼロ』の資本論講談社+α新書) 

 特に、出産という人生設計に関わる極めて私的な問題を国家が介入して変えさせることは非常に難しいものよ。あのナチスだって、「結婚資金貸付制度」によって、若いカップルに貸し付けたお金を、子どもを1人産むごとに4分の1ずつ返さなくてもよいという仕組みとして用意したけれど、多くのカップルは「もっと子どもを産もう」とはならなかったわ。(小野寺拓也ら「検証ナチスは『良いこと』もしたのか?」岩波ブックレット

 財政政策については、その効果を常に問い続けることが大事よ。「何もやらないよりはマシ」という感覚でいると「逆効果」までも見過ごしてしまうことになるわ。目を肥やし、凝らすことが大切ね。

 

カスハラに犯罪心理学は役に立つ?

2023年12月11日(月)

 ソシエッタです。

 

 政局の雲行きが怪しくなってきました。政治資金パーティ問題で複数の重鎮議員の更迭が取り沙汰されています。不安な年越しになりそうです。

 さて、コロナ明けの年末商戦が始まります。デパ地下には客が殺到し、イライラが募るでしょう。ここで気を付けたいのはカスハラです。カスハラは「カスタマーハラスメント」の略です。消費者からの悪質なクレームにより従業員が受けるハラスメントです。言葉の暴力だけでなく、ひどい場合は土下座を求めたりします。

 「お客様は神様」という消費者優位の雰囲気がカスハラを生む土壌になっている可能性があります。つまりは心理的な問題です。カスハラ被害を最小化するため、犯罪心理学を用いた対策は有効なのでしょうか

鈴木マサカズ「銀座からまる百貨店お客様相談室」講談社

 心理分析によると、カスハラ加害者の持つ攻撃性には、自分の要求を押し通したい、相手に制裁を与えたい、体面を保ちたいという側面があります。そして、男性、働き盛り、年収が高いといった傾向があります。要はプライドが高いのです。クレームを論理的に伝えられるだけの能力も備えています。

 高齢化が進み、孤独感を抱える人が増えると、社会的立場と自己像との乖離から不満を感じ、他人を巻き込んでいく人が増えていくでしょう。(桐生正幸「カスハラの犯罪心理学」インターナショナル新書)

 

 アプローチとして、犯罪者プロファイリングを応用し、客との関係性を分析してデータベース化することが挙げられます。企業の中には、生成AIでカスハラ客を再現し、職員の対応力を高めようとしているところもあります。

 こうした「分類」は危険です。それは犯罪心理学の歴史から見えてきます。かつてヨーロッパでは、身体的特徴から「犯罪性」の分析が試みられました。「遺伝」論を主張した科学者もいました。でも、近年の犯罪は、犯罪者の資質というより、育ってきた環境による影響がウエイトを占めています。カスハラ問題に犯罪心理学を当てはめることは、短絡的「排除」を生み出すおそれがあります。(内山絢子「面白いほどよくわかる!犯罪心理学西東社

 

 それにクレームは、適度なものであればサービスの向上につながります。その蓄積が日本独特のきめ細やかなサービスを育んできたのです。クレームを完全に抑え込むのは本質的解決ではありません。

 重要なのは体制です。応対は複数人で、年代のバリエーションがあるといいでしょう。必ず組織的に対応することです。相手の境遇が遠因となっている可能性もあります。社会福祉分野の専門家の支援を仰いでもよいでしょう。

 消費者の意識改革も重要です。「こっちはお金を払ってるんだ」という感覚ではなく、相手にリスペクトを持つことです。そうしないと、人ではなくAI店員が応対するという味気ない社会になるでしょう。

 

だるいのは低気圧のせい?体調管理に気象学

2023年12月4日(月)

 エンヴィです。

 

 めっきり寒くなってきました。みなさん体調は維持できていますか。ひょっとして、頭痛や肩こり、首こり、関節痛、古傷の痛み、めまい、倦怠感、気分の落ち込みに悩まされていません?それって、低気圧の影響かもしれないですよ。「低気圧女子」が増えています。現代人は自律神経の総合力が弱くなっていると言われます。気象を学んで、体調管理に役立ててみましょう。

 

 

 日本の上空を通過する低気圧は一年でおよそ100個もあります。しょっちゅう「低気圧」なんですね。気圧が低いと、体内の細胞に含まれる水分が外側に向かおうとします。ちょうど、山頂でパンパンに膨らむ菓子袋のイメージです。さらに、低気圧の影響で雨が降って湿気が多いと汗をかきにくくなり、体がむくみます。さらに、自律神経の一つである「副交感神経」が働いて血管が拡張すると片頭痛の原因になります。内耳周辺の神経が圧迫されると耳鳴りやめまいにつながります。

 こんな時は、もう一つの自律神経である「交感神経」を働かせて、「自律神経バランス」を取ることが大事です。意識して動く、いつもより早歩きする、などです。スマホの利用を控え目にして、目や首を酷使しないことも重要です。

 

 季節変化による影響も大事です。冬は寒さから身を守ろうと「交感神経」優位となり、血管を収縮させて体内の熱を逃がさないようにします。年末はただでさえ忙しいので、緊張状態が続くことになります。できるだけリラックスに努めましょう。手っ取り早いのは水を飲むことです。逆に春から夏は「副交感神経」が優位となります。

 気象の動きや特徴を知り、次の季節に向け、先手先手で準備していくことが元気でいられる秘訣です。(小林弘幸ら「低気圧がしんどい人の天気に負けないカラダ大全」サンマーク出版

 

 「気象」を学ぶと「気候」のことも気になります。どちらも太陽の光が元です。地球温暖化と併せて「異常気象」という言葉が聞かれて久しいですが、その状況は気象データからも読み取れます。

 日本の場合、過去100年のうち最初と最後の30年を比較すると猛暑日が3.5倍増えています。1時間80㎜以上の猛烈な雨の観測回数は40年間で1.8倍増えています。集中豪雨の発生頻度は45年間で2倍になっています。ちなみに、日本で発生する集中豪雨の約7割が線状降水帯によるものです。(荒木健太郎「読み終えた瞬間、空が美しく見える気象の話」ダイヤモンド社

 毎日の天気予報や気象情報は、人が活動をする上で大変有用です。その延長で気候のことも学んでみましょう。体調管理だけでなく、地球環境を適切に管理することも僕たちにとって大事な役目です。今の立ち位置を知ることが未来の活動につながるのです。

 

待ったなしの「木材の安全保障」。成るか国内拠点化?

2023年11月27日(月)

 フーディンだよ。

 

 物価高騰が続くと落ち着かないよね~。ところが、木材の価格は下降気味って知ってた?農林水産省によると、スギの丸太は前年比で2割減。1本14,000円だから体積で比較すると、なんとダイコンより安いんだって。これだと商売として成り立たないんじゃないの?

 

 

 だからといって、逆に価格が高騰しても困るんだけどね~。あまり知られていないと思うけど、2021年に「ウッドショック」と呼ばれる建築資材の高騰が起きたんだ。この時は、最初に首都圏の住宅産業界がパニックになって、それが全国に波及したんだ。

 原因は北米材の日本への輸入量が減ったこと。新型コロナによる製材工場の生産能力の低下、相次ぐ森林火災、巣ごもりによる住宅新設の増加といった諸事情が重なって引き起こしたんだって。

 

 ここで気付いて欲しいことが2つあるよ。

 一つは、日本で使われる建築資材のうち、結構な割合で「外材」が使われているってこと。その割合は6割。梁(はり)に使われる高級木材は外材なんだ。

 もう一つは、木材は国際商品だってこと。今や世界で木材の製造業に関わる人口は20億人にのぼる。関係者が多いんだ。そして、価格は各国の金融政策や住宅市場によって振り回される。もちろん、紛争や災害にも影響されるんだな~。

 だから、食料安全保障みたいに、「木材の安全保障」を考えなくちゃならないんだよ。これからは円安も進むだろうから、いつまでも外材の輸入に頼っていちゃだめだ。安定供給を目指すのであれば、生産拠点を国内に戻して「木材の自給率」を高めることを真剣に検討すべきなんだな~。(遠藤日雄「『第3次ウッドショック』は何をもたらしたのか」全国林業改良普及協会)

 

 冷静に考えれば、日本は木材の宝庫だよ。森林の備蓄量は52億4100万㎥。森林率はOECD加盟国の中で第3位。立派な森林大国なんだ。しかも、このうち人工林は6割を占めているわけだから、林業を「もうけ」の出る業態にさえすれば、メイド・イン・ジャパンの木材を十分供給できるはずだよ。

 解決の鍵は、サプライチェーンマネジメントの構築とDXの融合なんだな~。森林の所有者を巻き込んで、林業と建設・住宅産業を結合させるとともに、デジタル技術によって工程ごとの価格を「見える化」する。そうすれば、中間コストを減らすこともできるし、より市場ニーズに寄り添ったビジネスモデルを構築することができるよ。

 あと、投資活動も呼び込もうね。米国では効率化を追求した「投資型」の森林経営が行われている。この流れは南米やオセアニアにも広がりつつある。日本の林業には多額の税金が投入されているんだ。ぜひ、広く国民に「森林業」に関心を持ってもらい、投資に参加してもらうんだな~。(塩地博文ら「森林列島再生論」日経BP

 宝を活かすのはおいらたち次第。今こそ恩恵をフルに活用しよう!