LGBTの夜明け!新しい時代がやってくる

2020年2月24日(月)

 ソシエッタです。

 

 ついに、映画『スター・ウォーズ』全9部作の物語が幕を閉じました。

 

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 『スター・ウォーズ』は新しい価値観を観客にもたらしてくれました。戦闘機やライトセーバーを使った戦闘シーンは圧巻でした。中でも、シリーズを通じて興味を引いたのは、多種多様な宇宙人たちの存在です。彼らは必ずしも私たち地球人と同じ姿かたちをしていません。二足歩行するコアラ型宇宙人や巨大なヒキガエル型宇宙人が登場して言語を操ります。ロボットだって流暢な言葉や音でコミュニケーションを取ります。まさに「多様なのは当たり前」という世界観で彩られていました

 

 でも、地球人にとって、特に日本人にとって、「多様性」ということのハードルは依然高いようです。具体的には「LGBT」に対する姿勢です。

 「LGBT」は、性的少数者の中の代表とされる人々の頭文字(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トラスジェンダー)を取った言葉です。この言葉は、「性的指向性自認」を表す「SOGI」という言葉に変わりつつあります。こうした人は、電通の調査(2015)で7.6%、博報堂の調査(2016)で8.0%の割合に上るとされています。(石田 仁「はじめて学ぶLGBT」ナツメ社)

 

 これまでの社会は「男性」、「女性」というくくりで成り立ってきました。このため、こうした「くくり」に当てはまらない少数者は例外的、排他的な取扱いがなされ、差別・偏見を生んできました

 ネットフリックスのリアリティー番組『クィア・アイ』では、ゲイの5人組が様々な悩みを抱える相談者のところに行き、問題解決を図ろうとします。その日本版であるクィア・アイ in Japan』では、「オカマ」と呼ばれて居場所のない気持ちを味わっているゲイの男性が登場し、未だに存在する同性愛者への誤解や偏見をあぶり出します。ちなみにクィア」とは、「人々の差異を本質的な違いとは考えず、差異があるとされる中で人々がどう連帯をとっていけるかを模索する政治的態度」を言います。Newsweek 2020.1.21)

 

 判例や具体的なケースを重ねていく中で、関係者が戸惑う事例も増えています。2016年、拘置所や刑務所で性同一性障害の治療に必要な女性ホルモン剤を服用できなかったとして、国に損害賠償を求めた訴訟が提起されました。先月には、戸籍上は男性の国家公務員が女性用トイレの使用を制限されたことを訴え、国に責任があるとする判決が出されました。

 その他、育児休暇を適用できるのか、ホテルの大浴場でどう対応したらいいのか、学校の入寮を制限すべきかなど、現場から疑問はたくさん出ています(寺原真希子ら「ケーススタディ職場のLGBT」ぎょうせい)。

  

 こうした中、「性自認」の多様性を認める動きもあります。日本では同性婚は認められていませんが、生活を共にするパートナーであることを自治体が公的に認める「パートナーシップ認定制度」が都市部を中心に採用されつつあります。

 

【主な自治体別パートナーシップ認定制度の利用組数】

(虹色ダイバーシティ(2019)「自治体のパートナーシップ制度」(7月3日現在)

大阪府大阪市    124組

東京都世田谷区  94組

北海道札幌市   72組

福岡県福岡市   41組

千葉県千葉市   40組

東京都渋谷区   37組

東京都中野区   30組

沖縄県那覇市   28組

東京都豊島区   10組

 

 

 これらを経済的な動きの一環として捉える向きもあります。電通の試算によると、LGBT市場規模は6兆円で「レインボー消費」と名付けています。『きのう何食べた?』は男性の同性愛をテーマにしたドラマですが、登場した晩ご飯を再現したカフェには若い人たちが列をなしていました。

 

 でも、大事なのは、個人がその人らしく地域で暮らしていける社会をつくっていくことです。そのことにより、自由を感じながら、創作活動、経済活動、社会活動に関わっていくことが可能となります。そうやって、成熟社会がさらに押し上げられることになるのです。

 これからの社会は個人が尊重されます。逆説的ですが、それゆえに、より「監視」的な社会になっていかざるを得ないでしょう。自由には責任が伴うからです。そうであればこそ、個人の考え方や活動のレベルではより自由度を求めておきたいです。

 お互いを認め合うことが最初の一歩です。性自認を「性他認」に変えていくことが大切です。この状況を乗り越えることができれば「性」の問題だけでなく、一人ひとりの多様さ自体がごく当たり前の状態となっているでしょう。その時には、貴方にも自由な活動という形で還元されていることと思います。

 

 そうです。LGBTは夜明けを迎えつつあるのです。その先に待っているのは、誰にとっても自由で未知なる新しい時代なのです。