平成30年10月28日(日)
お久しぶりです。エンヴィです。
この間ハンバーガーショップに行ってきました。コーラを頼みましたが、プラスチック製のストローは付いてました。これが無くなるとどうなるんだろう、紙コップのふたも無くなるのかな、こぼさず飲めるかな、なんてことを考えちゃいました。
今、「サーキュラー・エコノミー(循環型経済)」が注目されています。(Newsweek2018.10.15)使い捨てをやめて、資源の消費をできるだけ減らしながら、そこにビジネスモデルを見出すという「一石二鳥」の戦略です。残りもののパンをビールに変身させる技術や、オンラインサービスを活用して車のライドシェア(相乗り)などが挙げられます。
特に、プラスチックについては海洋に漂うごみが問題とされていることもあり、話題に事欠きません。大手のコーヒーチェーン店やファストフードショップがプラスチック製品を減らしていくことを発表したり、廃プラスチック輸入量が世界の6割を占める中国が輸入規制を強化する方針を示したり、国がレジ袋の有料化を提案したり。
でも、こうした話は今に始まったわけではありませんよね。みなさんも聞いたことがあるでしょう。「リデュース(ゴミ減らし)、リユース(再利用)、リサイクル(再生利用)」の「3R」、「もったいない運動」などです。
最近のムーブメントは、大量生産、大量消費、そして大量廃棄が成長のエンジンとされてきたこれまでの経済システムに限界が見え始めたことを反映しているのかもしれないです。
一方で、「技術革新」により、ごみや環境問題に対する意識が弱くなることがあるのも事実です。先ほどのプラスチックごみについて言えば、燃やした際に猛毒とされているダイオキシンが出なくなる廃棄物処理場の出現で、「燃やせるごみ」に変わりつつあります。はたして今回のムーブメントは本物になるのでしょうか?
日本は世界でも有数のプラスチック生産国であり使用国でもあります。このため、よいお手本として、プラスチックごみを出さない努力と姿勢が求められます。
【世界と主要国のプラスチック生産量(2012年。単位;1000トン)】
アメリカ 48,057
中国 52,133
日本 10,520
ヨーロッパ 49,000(ドイツ、ベネルクス、フランス、イタリア、英国、スペイン)
(出典)米国:ACC、中国:CPPIA、日本:経産省、韓国:KFPIC、台湾:TPIA、左記以外:PlasticsEurope
【1人当たりプラスチック消費量(2012年。単位;kg/年)】
米国 117
西欧 96
日本 75
(出典)日本プラスチック工業連盟
しかしながら、これまでの取組も一直線とはいきませんでした。今回も技術革新次第では、大企業しか対応できないのではないかとか、今の産業構造自体が変わるのではないかという点が懸念されています。そして、急な変化を望まない業界の声が政策に反映されるおそれがあります。
環境問題について、明確な方向性、綿密なプランが提示できなければこうした関係者の同意を得ることは難しいでしょう。そして、「なんとなくやった気」で終わる可能性もあり得ます。
そうはいっても、ぐるぐると逡巡(サーキュレート)しながらも、私たちの意識が「ごみを極力出さないのが当たり前」とするポジションに「デフォルト(初期)設定」し直されれば、そこからは取組が一直線に動いていくと期待したいですね。