「第三の居場所」はどのコーヒーショップの手に?

2019年6月17日(月)

 コノミです。

 

 みなさん、コーヒーはお好きですか?

 

 私は1日1杯程度飲んでいます。お休みの日ともなると、街角のコーヒーショップで読書して過ごしています。お客さんがいっぱいでお店に入るのをあきらめる時もあります。

 みなさんとコーヒーのお付き合いはどのような感じでしょうか?

 

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 現在、コーヒーショップは、「第三の場所(サードプレイス)」のステータスを確立しつつあります。第一の場所は自宅、第二の場所は職場・学校になります。「第三の場所」という表現は、自宅や職場などではない非日常的な空間において、気の向くままに過ごしたいという気持ちの表れからきているのでしょう

  こうした空間は、年齢を重ねてもいつまでも利用できるものなのでしょうか?

 

 チェーン店最大手のスターバックスコーヒーのお客たちを見ると若い方が多いです。読書している人もいます。スマホを操作している人もいます。ノートパソコンとにらめっこしてお仕事をしている人もいます。タリーズコーヒーなど他の店舗でもお馴染みの光景ですね。お店によっては卓上にコンセントを備えているところもありす。何かをしていないといけない雰囲気ではありますね。

 

 静かな環境ですので作業をするのには適していますが、一方でおしゃべりしたい場合は別のチェーン店のほうが向いていると思います。ドトールコーヒーカフェ・ベローチェなんかは比較的にぎやかです。居心地のよさでいうとコメダ珈琲店や星乃珈琲店も挙げておきたいです。椿屋珈琲店は女性に人気のようです。

 ブルーボトルコーヒー猿田彦珈琲といった「サードウェーブ」と呼ばれる新しいコーヒーショップは並んで待つ覚悟が必要です。リラックスするつもりでいくと空いている席がほとんど無くて案外そうでもなかったなんてことがよくあります。

  

 意外なことと思われるかもしれませんが、こうしたチェーン店も含めた喫茶店の数はピーク時と比べると半減しています。ピークは1981年でした。その数は15万店超で、うち13万店が個人事業主でした。今やチェーン店の隆盛の陰で、昔ながらの喫茶店は数を減らしています。

 コーヒーは原価が比較的安いので「利益率」はそこそこ良くなります。400円の売値なら粗利率は91.05%にもなります(赤土亮二「喫茶店と日本人」旭屋出版)。こうしたことから、かつては会社勤めを辞めて自分のお店を持とうという人もいました。

 でも、時間当たりの客単価は安いため「利益高」はあまり高くありません。繁盛しているお店は全体のうち1割程度しかないとも言われています。ですから、バブル時代のように地価が高騰するとひとたまりもありません。

 

 今後のコーヒーショップ市場はチェーン店に置き換わっていくことが予想されます。その時、若い方だけでなく、みなさんにとっての「第三の居場所」は残されているのでしょうか? 

 もちろん、自宅でもおいしいコーヒーは飲めます。全自動コーヒーメーカーがあれば専門店に負けないクオリティのコーヒーを手軽に楽しむことができます。コンビニのコーヒーも元気です。

 でも、求められているのは単なる「味」ではないのです。むしろ、周りの空間と一緒に「味わう」機会をいかに提供できるかということです

 コーヒーが最初にヨーロッパで普及し始めた頃、ロンドンでは社交の場としてコーヒーハウスがたくさん作られました(旦部幸博「珈琲の世界史」講談社現代新書) 。女性は利用できませんでしたが、おじさまたちにとってまさに「居場所」だったのです。

 チェーン店ではサービス内容が画一的になるでしょう。人手も不足しているため機械化・自動化が進みます。価格に見合った価値をどう提供できるか、もっと言うと、高齢化が進む日本において求められる「空間」を提供できるかが今後の課題だと思います。 

 

 水、お茶に次ぐ世界第3位の飲み物であるコーヒー。長い歴史や遠い地で生産されている状況に思いを馳せながら、みなさんも今日の一杯を味わってみませんか。

 

 

【国内主要チェーンコーヒー店の店舗数】(2019.4.20 週刊東洋経済

スターバックスコーヒー 1415店

ドトールコーヒーショップ 1111店

コメダ珈琲店 828店

タリーズコーヒー 723店

サンマルクカフェ 402店

星乃珈琲店 227店

珈琲館 225店

プロント 217店

カフェ・ド・クリエ 175店

カフェ・ベローチェ 174店

エクセルシオールカフェ 123店

上島珈琲店 110店

ルノアール 90店