「歯」は命。オーラルケア専門店の設置を提案します!

2020年1月6日(月)

 ハルです。

 

 2020年です。東京オリンピックパラリンピックに耳目が集まりますが、それ以外のことにも目を凝らしていきたいです。耳を澄ませたいです。

 

 今回の話題は目や耳ではなく「歯」です。 みなさん歯磨きはちゃんとしていますか?年末年始は食のリズムが変わることが多いです。歯のケアをしっかりしておきたいです。

 そもそも歯の健康が全身にも影響するということをご存知でしょうか?代表格は歯周病です。歯周病は歯を失う原因になるだけでなく、全身の様々な部位との関りが明らかとなっています。以下が例です。

 

脳・・・アルツハイマー病患者の脳内で見られる細菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス菌)は歯周病菌の一つ。同菌の出す毒素が認知機能に影響を及ぼす可能性がある。

心臓・・・歯周病がひどいと歯周病菌が心臓にまで行く。動脈硬化や心内膜炎を引き超す可能性がある。

膵臓・・・歯周病の悪化により炎症性物質が体内に取り込まれると、インスリンを出そうとする膵臓の働きが妨げられ、高血糖になるおそれがある。

 

 怖い話が続きましたね。虫歯のように痛みを感じるのであれば歯医者に駆け込むでしょうが、自覚症状が出づらい歯周病は放置される可能性があります。日頃から歯磨きを丁寧に行うとともに、定期的に専門的なチェックをしてもらうことが大事です。

 この時、相談に乗ってくれやすいのが歯科衛生士です。歯科衛生士は国家資格で専門知識を持っています。お薦めの歯ブラシや歯磨きの仕方など歯にまつわる困りごとについて遠慮なく相談するといいです。

 

 しかし、現在の歯科業界には構造的な問題があります。それは、数が増えすぎて過当競争になっていることです。歯科医療機関の数は全国で6万店超です。コンビエンス・ストアと同じくらいの数です。一方で、医療費は抑えられています。このため、一つの歯科医療機関当たりの収益が低下していくおそれがあります。

 こうなると、歯科医療機関としては人件費を抑制しようという発想に傾いても仕方ありません。その矛先が向かいやすいのは歯科衛生士です。歯科衛生士の平均年収は364万円(平均年齢34.9歳)と決して高いとは言えません。

週刊ダイヤモンド2019.11.30)(髙島明彦「淋しい人はボケる」幻冬舎新書)。

 

 背景としては、圧倒的に女性が多いことが挙げられます。これは、法律で女性のみに限定されていたことに起因します(今は女性に限定されていません。)。このため、給料が低く抑えられてきた感があります。ちなみに米国では年収中央値は7万ドル超とむしろ高給です。そして、日本の歯科衛生士の離職率は高いとされています。せっかく育てた人材がその能力をフルに活用できるようにする必要があります。

 

 ここは思い切った発想の転換が必要です。具体的には、治療を行う歯科医療機関とは別に、歯科疾患の予防・口腔ケアを専門的に行う機関を設置するのです。ここでは仮に、「デンタル・ステーション」という名称にします。

 「デンタル・ステーション」のイメージですが、ここでは治療は行いません。歯科衛生士が主なスタッフとなります。治療を要する場合は、専門性を勘案しつつ、適切な歯科医療機関に紹介を行います。また、食後のケアも大事です。近隣の飲食店ともネットワークを結び、食事を済ませたお客さんが希望すればステーションに足を運んでもらい、そこで口腔ケアサービスを提供します。さらに、在宅患者や福祉施設、小学校などに出張ブラッシング指導を行うこともあります。

 歯科医療機関だけに歯科衛生士を留めておくのはもったいないです。法整備を行う必要はあるでしょうが、保健師のように、歯科衛生士にも幅広い分野で活躍してもらいたいです。

 

 もちろん、医療財政の問題は避けて通れません。歯科衛生士の活動すべてを保険診療にすると医療費がいくらあっても足りませんので、サービスの形態や内容により保険診療自由診療とに使い分けてもらうことが必要です。

 また、医療費を効果の見える形で抑えるためには、海外の取組みも参考になります。デンタルケア先進国と言われるスウェーデンフィンランドでは、歯石除去は無料で受けられる代わりに、それを怠って虫歯になったら治療費は全額自己負担になるそうです。(堀江貴文「健康の結論」KADOKAWA

 

 自分自身でしっかり歯の管理を行うことが大切なのは言うまでもありません。歯ブラシなど口腔ケアグッズも多種多様です。しかし、素人判断だとどうしても馴れやムラが生じます。時々でいいですから、専門的なアドバイスをもらうようにしましょう。そうすれば、みなさんの「デンタルIQ」も高まります豊山とえ子「歯は磨かないでください」講談社+α新書)。彼女たちは、みなさんにいつまでも食事を楽しんでもらえることを切に願っているはずです。 

 

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