「半マスク社会」がセット。あなたは耐えられるか?

2023年8月7日(月)

 ソシエッタです。

 

 6日の高校野球開会式は4年ぶりに全選手入場でした。外でマスクする人も減りました。でも、店内など着用が求められることもあり、マスクは手放せません。新型コロナのおかげで、世の中に「半マスク社会」が定着しました。

 

 マスクは「安心感」をもたらします。見た目を気にする人にとって、顔のマイナス面を覆い隠す重要アイテムです。ほうれい線がなくなり若く見えます。アゴが細く感じます。「マスク美人」「マスクイケメン」です。表情の微妙な変化も隠せますし、人前で堂々と話せる人もいます。若者は着け心地の悪さをさほど感じていません。10代の71%は素顔を見なくても異性とのお付き合いができるそうです。柔軟ですね。(宮口幸治「素顔をあえて見せない日本人」ビジネス社)

 

 もともと人は集団の中で暮らす生き物ですが、現代社会では個人主義が進んでいます。過去数十年の間に共感力は40%低下し、ナルシズム的人格指数(NPI)スコアが上昇しています。

 世の中が豊かになるほど、人は「個」であることを望みます。他人からの依存や嫉妬から身を守るためでもあります。その反面、「孤独」であることを嫌い、まわりの人気を得ようと振る舞います。こうした傾向はデジタル社会で強化されます。孤独感の健康影響は1日15本のタバコ喫煙に相当します。うつ病や自殺の発生率は上昇傾向にあります。(エリック・バーカー「残酷すぎる人間法則」飛鳥新社

 

 マスクが拍車をかけます。そもそも私たちは人の心を読むのが得意ではありません。人の心を読めるとしたら、それは相手の表情の豊かさによるものです。人は見た目が9割と言われます。間違った使い方がされていますが、これは、他人から受け取る情報のうち言葉は7%に過ぎず、残りの93%は言葉以外の表情やしぐさなどノンバーバル・コミュニケーションによることを指します。今、マスク着用のせいで、ノンバーバル・コミュニケーションが変わったと感じた人は6割にのぼります。人はさらに孤独になっていくのでしょうか?

 

 救いは、新しいスタイルのコミュニケーションです。ジェスチャーの活用がいいですね。よくやる身振りやしぐさは、生まれつき備わったものです。日本人は欧米人と比べてジェスチャーが少ないと指摘されています。少し意識して使ってみませんか。(内藤誼人「人間関係BEST100」SOGOHOREI)

 マスク自体も「個性」です。形や色はその人の好みであり、内面の表れでもあります。アイデンティティなのです。店頭からマスクが消えつつありますが、ぜひ、多種多様なマスクの販売をお願いしたいです。

 日本は「密」な社会です。ですので、日本人にとって「半マスク社会」は、心理的な安全面からはちょうどいいのかもしれません。無理にはぎとろうとせず、そっと見守りましょう。