首都直下地震は来ます!働かせてる?「災害イマジネーション」

2023年11月6日(月)

 トランだ。

 

 今年は関東大震災から100年後に当たる、首都直下地震について考える絶好の機会だ。政府も対策を考えてはいるが、大災害を完全に防ぐことはできない。頼れるのは自分自身の「備え」だ。今のうちに「災害イマジネーション」を働かせておこうぜ。

 

 最も警戒が必要なのは、東南海地震東海地震→南海地震とM8クラスの地震が連続して起こる「三連動地震だ。2040年までに起きると予測されている。ちなみに、マグニチュードは1大きくなるとエネルギーは32倍増加する。東日本大震災以降、日本列島の地下はすっかり不安定と化した。海の地震が首都直下地震を誘発する可能性だってあるんだぜ。

 厄介なことに、関東平野は厚い堆積物で覆われていて、どこが揺れるか分からない。国の中央防災会議によれば、夕方6時・震度7地震が発生した場合の犠牲者は2万3000人と想定されている。(鎌田浩毅「首都直下地震南海トラフ」MdN新書)

 

 政府では応急活動を計画している。警察・消防・自衛隊は計25万人が動員される。緊急輸送ルートを確保し、航空機・船舶・医療チームも投入される。おかげで、日本人は行政依存体質だ。こいつはよくないぜ。想定を超えることはいくらでもある。(児玉聡「予防の倫理学ミネルヴァ書房

 例えば、阪神・淡路大震災では、地面から突き上げる力で、一瞬、無重力状態が発生した。家具が自分に向かって飛んでくるなんて想像できるだろうか。高齢者や障害者だけが災害弱者じゃない。「健常者」だってケガをしたりメガネを無くしたりしたら、たちどころに災害弱者になるんだぜ。(目黒公郎「首都直下地震 国難災害に備える」旬報社

 

 

 首都直下地震が起きれば、停電や断水の発生を覚悟すべきだ。携帯電話も不通になるだろう。老朽化した橋梁やトンネルは壊れ、東京湾重油流出や火災で使えなくなり、物流が止まる。身動きもとれない。食料品などをめぐる「買いだめ」パニックも起きるだろうぜ。

 住宅にもリスクがある。未だに耐震基準を満たしていない家屋は多い。火元は閉めていても木造住宅の密集地域では電気による火災が、都市部ではビル風による「火災旋風」が起きる。タワーマンションなど高層ビルは長周期地震動のため、揺れに揺れた挙げ句、エレベーターが停止する。

 平日の日中に起きれば、最大約450万人の帰宅困難者がそこら中に溢れかえる。首都圏は何をするにしても人が多く、想定できないような二次被害が生まれるおそれだってある。(宮地美陽子「首都防衛」講談社現代新書

 

 重要なのは一人ひとりの対応力を高めることだ。水・食料を備蓄している家庭は3割にも満たない。避難ルートの認識だって怪しい。生き残れるのは、様々なシチュエーションを想定し、時間を使って準備を怠らない者だけだ

 さあ、覚悟はできたか。絶対、生き延びようぜ!